一部の用紙で価格の改定を行い、余白なし全面プリントの選択肢を設けました。
保管・額装

プリントした写真の保管方法

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 写真をプリントしたら、劣化しないようにして保管します。

長期間保管するためのプリント用紙の選択

 写真のプリントを長期間保存するためにはプリントする用紙自体も長期保存できるものを選ぶ必要があります。

 写真のプリントは酸性の環境に弱いので、「アシッドフリー」などと示された酸性でない用紙を選んだ方が良いでしょう。

ブックマットでプリントを保護

 プリントそのままの状態では手で持ったりしているうちに痛むので、ブックマットで保護します。

 ブックマットはプリントの表と裏をボードで挟んで、表のボードに窓を開けて写真が見えるようにしたものです。
 ボードの左端(横向きなら上端)をテープで接続することで、本のように開ける状態になります。

 ブックマットがどのようなものかを紹介している以下のような動画が動画サイトにありました。

長期保存用のボードがある

 ブックマットを作るためにプリントを表と裏から挟む板紙が必要です。

 この板紙も、廉価な製品もあれば、写真の長期保存向きの無酸性の高価な製品もあります。

 ブックマットを作るための板紙はピュアマット、ミュージアムボードなどの名前で調べると見つかりますが、需要が少ない製品であるため大手通販サイトなどで検索しても見つかりません。

 ネットで検索すると額装専門店などで取り扱っているところが見つかります。

ブックマットの作り方

 ブックマットは既製品が量販店に売っているようなものではなく、基本的に手作りする必要があります。

余白を決める

 ブックマットの余白の寸法を決めます。
 一般的に7〜8cm程度の余白を確保する場合が多いようですが、絶対的な決まりはないので自分の好みによって余白を決めます。

 ブックマットはそのまま額に入れて展示できるので、ブックマットの余白が額に入れて飾るときの余白にもなります。
 写真を展示室や部屋に飾れば、写真と展示室・部屋をつなぐものが余白と額になり、それを考慮して最適な余白を考えます。

ブックマットの余白

ブックマットの余白

 
額に入れた場合に余白になるマットの部分

額に入れた場合に余白になるマットの部分

窓の寸法を決める

 写真が見える部分である窓の寸法を決めます。

 写真をプリントすると、大抵の場合プリント自体に余白ができます。
 この余白を見えるように窓を作ることも、余白が完全に見えなくなるように窓を作ることもできます。
 余白を見えるようにする場合、どのくらい余白を見える状態にするかも考えます。

 写真を展示した時に最も望ましい状態になるように窓の寸法を考えます。

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窓から余白が見えないようにしたブックマット

 
ブックマット

窓から余白が見えるようにしたブックマット

窓を抜く

 決めた寸法で窓を抜きます。

 窓を開けるボードの裏側に、切る位置のアタリを鉛筆で書きます。

 ブックマットの窓を通常のカッターで切ると切り口が垂直になり、ボードに厚みがあるため写真を見た時に写真に影ができてしまいます。そこで窓を作る場合は45度の角度を付けて切る必要があります。
 45度の角度で窓を切ることができるマットカッターでアタリの位置を切ります。

マットカッターの例

Logan 350-1 Compact Elite

LOGAN 350-1 Compact Elite Mat Cutter|Logan Graphic

簡単マットカッター45度|オルファ株式会社 【公式サイト】
専用定規が付いて簡単きれいに45度カットができる額装マット専用カッター。V字刃でコーナーもすっきりと仕上がります。

表、裏のボードを接続する

 表のボード(オーバーマット)、裏のボードをテープで接続します。

 縦向きのブックマットなら左端、横向きのブックマットなら上端を接続します。

表のボードと裏のボードをテープで接続

表のボードと裏のボードをテープで接続

 接続するときに使用するテープも写真の保存を考えた無酸性の製品があるので、そういったテープを裏側から貼って接続します。

無酸性のテープの例

フィルムプラストP90・P90プラス|muse

写真を固定する

 ポケット状のコーナーで写真の四隅を裏のボードに固定します。

 写真を安定して長期保存するためにはコーナーも無酸性のものを使う必要があります。
 無酸性の用紙を長方形に切り、折るだけでポケット状の部品が作れます。

長方形の用紙をポケット型に折った例

長方形の用紙をポケット型に折った例

 写真の位置を決め、写真の四隅にポケット状に折った無酸性の用紙をはめて、無酸性のテープで裏側のボードに貼ります。
 これで写真に糊などをつけることなく固定できます。

写真の四隅をポケット状のコーナーで固定

写真の四隅をポケット状のコーナーで固定

無酸性の用紙の例

ピュアガード | TTトレーディングウェブサイト
特徴 ノンバッファ:酸もアルカリも含めないノンバッファ紙です。 アルカリに対して特に弱い写真や染織品、紙資料などの保護にご利用ください。 使用例 アルカリに敏感な資料や作品の保護用紙。 紙ベースでは、青焼き・ジアゾコピーなど。 写真類は、ダ

 表のボードをかぶせればブックマットの完成です。

ブックマット

ブックマット

ブックマットを作ってくれる店もある

 自力でブックマットを作るのは結構大変です。

 そこで、マットの寸法や窓の寸法を指定して注文するとブックマットを作ってくれる額装専門店などもあります。
 また、写真を送付して写真も固定してもらえるところもあります。

 それほど頻繁にブックマットを作るわけではない場合は、そういった店に依頼するのも良いでしょう。

無酸性の箱に入れて保管

 写真を安定して長期間保存するとしたら、保管用の箱も無酸性のものを使う必要があります。
 ブックマットの状態で保管箱に入れることができます。

 作品と作品の間に保護用のあい紙を入れると安全です。
 長期間安定して保管するためにはあい紙も無酸性の紙を使用します。

あい紙に使える無酸性の紙の例

ピュアガード | TTトレーディングウェブサイト
特徴 ノンバッファ:酸もアルカリも含めないノンバッファ紙です。 アルカリに対して特に弱い写真や染織品、紙資料などの保護にご利用ください。 使用例 アルカリに敏感な資料や作品の保護用紙。 紙ベースでは、青焼き・ジアゾコピーなど。 写真類は、ダ

 写真を保管するための無酸性の箱は大手通販サイト等でも見つかります。

無酸性の写真保管用の箱の例

STORAGE BOX | TTトレーディングウェブサイト
特徴 中性保存箱:写真など一枚物の美術作品や古文書、テキスタイルなどを収納する組み立て式保存箱です。 中性ダンボール(アーカイバルボード)を使用しています。接着剤や留め具が不要な組み立て式。箱の短辺の側面が一ヶ所開きますので、薄い資料はスラ