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店の銀塩プリントと家庭用インクジェットプリンター出力 写真の差

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プリントのイメージ写真

 カメラがフィルムカメラからデジタルカメラに変わって、写真を自宅のプリンターで印刷する場合が増えました。
 昔店で同時プリントした写真の方が無難なきれいな仕上がりになっていた面もあれば、昨今のインクジェットプリンターで印刷した写真の方が綺麗に見える場合もあります。

 店の銀塩プリントと家庭用インクジェットプリンター出力の差について見てみます。

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店の銀塩プリントと家庭のインクジェットプリンターは仕組みが違う

 店の銀塩プリントとインクジェットプリンターでは仕組みが違います。

 銀塩方式のプリントは、樹脂コートベースの上に赤、緑、青に感光する乳剤の層などが配置されたカラーペーパーにレーザー光をあてて露光させて、発色現像処理してプリントになります。

 一方インクジェット方式は、ご存知の通り紙にインクの滴を付けてプリントします。

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観点1 画質の良さ

経験上、銀塩プリントと家庭用インクジェットプリンター出力なら銀塩プリントの方が画質が良い

 写真の色・明るさ・コントラストといった内容でなく、単なる画質の良さについて見てみます。

 プリントした写真などの反射原稿をオフセット印刷用に高解像度でスキャニングすると、おなじデジカメ写真でも銀塩プリントした写真と家庭用インクジェットプリンターで出力した写真なら、銀塩プリントした写真の方が画質が高い場合が多いです。

 家庭用インクジェットプリンターで出力した写真は、見た目は銀塩プリントとそれほど差が感じられないこともありますが、高解像度でスキャンするとかなり粗いことがわかります。
 また不要な色のドットがたくさん入っており、フォトレタッチ処理してもあまり調整の余地がなく、反射原稿としてかなり少ない情報しか持っていないことが分かります。

 一方、店で銀塩プリントした写真は高解像度スキャンしてもある程度耐えられる画質を持っている場合が多いです。

写真出力の業務向けのインクジェットプリンターなら銀塩プリント並みになっている

 インクジェットプリンターの技術が進んで、現在では写真出力の業務向けのインクジェットプリンターが作られています。

 業務で写真を出力することを想定しているインクジェットプリンターの場合はすでに銀塩プリントと遜色ない画質のプリントができるようになっています。

 銀塩プリントとインクジェット出力では仕組みが違うので、両方を高解像度でスキャニングして比較すると当然質が違います。
 また銀塩プリントの仕組みで使うための印画紙とインクジェット出力で使うためのインクジェットプリンター用紙では当然質が異なるので、同じ光沢紙にプリントした写真を見ても多少差があります。

 技術が異なるので差がありますが、写真としての画質はほぼ同等になったと思って良いでしょう。

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観点2 写真の色・明るさ・コントラスト等の処理

 画質が良いか悪いかだけでは写真の良し悪しは決まりません。
 色・明るさ・コントラストが適正になっているかいないかが二つ目の問題です。

銀塩プリントの店の色補正と、家庭用プリンターで出力するときの色補正

 店で銀塩プリントする場合、機械が自動で画像を処理し、場合によっては技能者が少し調整します。

 家庭用インクジェットプリンターで印刷する場合は、自分で写真を調整するか、自分では調整せずにプリンタードライバーの自動色補正に任せて出力することになります。

 自動色補正を行うとして、店の業務用のソフトウェアと家庭用のプリンタードライバーの機能では業務用のソフトの方がたいていは性能が高いです。

 よって自分でフォトレタッチできない場合は店の銀塩プリントサービスに出した方がきれいに仕上がる場合が多いです。

 一方、自分でフォトレタッチできる場合は、店で自動で画像処理されて好みの仕上がりにならないより、自分で好みの写真に仕上げて家庭用インクジェットプリンターで色補正なしで出力した方が思い通りに仕上げられることもあるでしょう。

自分でフォトレタッチをして店で銀塩プリントすることも一応できる

 もう一つの選択肢として、自分でフォトレタッチできる場合は、自分でフォトレタッチして写真のデータを完成させて、そのデータを店で銀塩プリントを「色補正なし」の指示付きで注文すると、自分が希望する仕上がりに近く画質もきれいな写真が得られるかもしれません。

 ただこの場合、店の写真出力の色の特性が明確でない、または店の出力機が入力プロファイルをどのようなカラースペースに設定しているのか分からず、公表もしていないようである、などの問題があります。

 ただ、デジカメで撮影した写真を持って行くとだいたいまともな色に仕上がるところから考えて、sRGBで渡せばほぼまともに出力されるでしょう。

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写真の「色・明るさ・コントラストの調整具合」と、「画質」は別の問題

 以上のように、色・明るさ・コントラストが好ましい状態になっているかどうかは出力方式とは別の問題であり、これが最適に調節されていなければいくら画質が良くてもきれいな写真にはなりません。

 以上、店の銀塩プリントと、家庭用インクジェットプリンターで写真を印刷する場合の差について見てみました。

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