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sRGBとは、現在カメラやモニター等で共通で使われている標準色空間

      2018/11/19

 sRGBは国際的な標準色空間です。
 デジカメやパソコンなど、世の中の色を扱う機器は、初心者向けの設定で使うとだいたいsRGB色空間で色を扱うように作られています。
 ここでは、sRGBとうはどういうものか簡単にご紹介します。




sRGBは色空間の名前

 sRGBは色空間の名前です。

 RGB色空間は、簡単に言えば、RGBのデータを表示したときどういう色になるか、ということに名前を付けたものです。

RGB色空間の雰囲気の説明

 色々なRGB値が並んだRGBのデータを用意します。

色々なRGB値が並んだRGBデータ

 用意したRGBデータを、色々なモニターで表示したり、色々なプリンターで印刷したりしてみます。
 すると、データのRGB値は全く同じですが、表示・出力の結果は以下のように異なる色になります。

同じRGBのデータを表示したり印刷したりしてみた

 このように、RGBデータは同じRGB値でも色々な色を示してしまいます。

 同じRGB値なのに色がその時々で変わると扱いにくいので、RGB値の色を確定してしまいたい気持ちが出てきます。

 例えば「RGB(30,150,200)はどこで表示しても同じ、こういう色である」という具合にです。

 そこで、上記のまちまちなRGBの色の中からどれか一つ決めて、このRGBデータの色をaiueo色空間と名付けよう、ということにしたものが色空間というものです。

この色にaiueo色空間という名前を付けてみる

sRGBは1999年にできた標準色空間

 同じRGBのデータを色々な機器で表示したら、まちまちな色で表示されてしまうとなると作業しにくいです。

 そこで、ごく単純に言うと、一般的なCRTモニターで色々なRGB値を表示した時の色に似た色空間を決めて、sRGBという名前に決められました。

CRTモニターでRGBのデータを表示してみた

この色の集まりをsRGBという名前に決めてみた

※あくまで、ごく単純に分かりやすく言った場合です。本当はもっとややこしいです。

sRGBはIECで「IEC 61966-2-1」として標準化された

 sRGB色空間はヒューレット・パッカード社とマイクロソフト社が提案し、IEC(International Electrotechnical Commission)で審議されて、1999年にIEC 61966-2-1として標準化されたということです。

 sRGBは上記のように作られている色空間なので、パソコンでカラープロファイルを扱うときに、sRGBカラープロファイルを見ると、名前がsRGB IEC61966-2.1となっています。

sRGBカラープロファイル

sRGB標準ディスプレイの主な特性など

 sRGB色空間で表示されるsRGB標準ディスプレイの特性が定められています。

 モニターキャリブレーションをするときなどによく名前を聞く主な項目は以下のようになっています。

3原色色度
R(x=0.6400, y=0.3300) G(x=0.3000, y=0.6000) B(x=0.1500, y=0.0600)
白色点
D65(x=0.3127, y=0.3290)
γ
2.2
白輝度
80 cd/m2

sRGB色空間で作られた機器どうしなら色の受け渡しが楽

 sRGB色空間で作られた機器どうしなら、RGB値をどういう色で表現するかすでに決まっているので、受け渡しが楽です。

 あまり色について詳しく分からなくても、sRGBで扱っておけばうまくいきます。

 sRGBのデジカメで撮影して、sRGBのディスプレイで表示すれば、だいたい思った通りの色で表示されます。
 それをsRGBデータを印刷するように作ってあるプリンターで印刷すればだいたい思った通りに印刷されます。
 またsRGBデータが持ち込まれる前提の写真プリントの店にプリントを依頼すれば、だいたい思った通りにプリントされます。

当ブログ参考記事

最近の機器は色域が広くなり、sRGB色空間では狭過ぎるという問題がある

 sRGBは昔のCRTモニターの色に近い色です。

sRGB色空間で表現できない色を表現できる機器など

 AdobeRGBを再現可能なディスプレイであれば、sRGB色空間で表現できない色も表示できます。

 AdobeRGBやそれを超える色まで出力可能なインクジェットプリンターであれば、sRGB色空間で表現できない色も出力できます。

 フィルムカメラで撮影して写真をプリントすると、sRGB色空間では表現できない色もプリントできます。

sRGB色空間より広い色域を持つ機器が、sRGB色空間で色を扱うとどうなるか

 sRGB色空間より広い色域を持つ機器で色を扱うとき、sRGB色空間を使って色を扱うと、正常にsRGB色空間で最終出力できます。sRGB色空間でモニター表示したり、プリンター出力したりできます。

 ただし、sRGB色空間で色を扱うため、機器自体がもっと広い色域を表現可能でもsRGBの色域でしか表示・出力できません。

 例えば、AdobeRGBの色域を表示可能なディスプレイを使ったとしても、RGBデータをsRGB色空間で扱っているならsRGBの色域でしか表示されません。

色とデバイスの色域の関係を、音楽と楽器に例えてみる

 楽器にたとえれば、7オクターブまで音を出せる楽器を使っているものの、真ん中あたりの4オクターブ分だけで演奏して、それ以外の音は全く使っていないようなものです。

sRGB以外の色空間を合わせて使うと色域の狭さの問題を少し解決できる

 完全にsRGB色空間だけで作業すると、上記のような色域の狭さの問題でモニターやプリンターなどのデバイスの色表現の性能を生かしきれないことになります。

 そこで、印刷やグラフィック関連の業界の場合はsRGB以外の広い色空間を利用して、カラープロファイルでプロファイル変換をしながら色の情報を扱うことでsRGBより広い色域で最終出力を行っています。

 ただこの方法はややこしいので、ある程度詳しくないと難しいです。

色域の広い標準色空間も検討が続いているらしい

 現在のsRGBのように、詳しくなくても簡単に扱えて、かつもっと色域の広い新たな標準色空間を作る検討は関連業界や団体で続いているそうです。

 そういうものの一つにscRGBがあります。
 これはsRGBを拡張して、人の目で見える色以外の範囲まで広げた色空間です。

 以上、sRGBとうはどういうものか簡単にご紹介しました。

当ブログ参考記事

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