カラーマネジメントでよくある疑問

sRGBのモニターでAdobeRGBの写真を見てくすんでいたら開き方が問題

2017年5月15日

 AdobeRGBの写真をsRGBのモニターで表示すれば、くすんで表示されるのは当たり前、という誤解が多く見られます。
 実際は、sRGBのモニターでAdobeRGBの写真は正しく表示できます。

 ここでは、sRGBのモニターでAdobeRGBの写真を表示した時にくすんだ色で見えたら、表示方法に問題があることをご説明します。

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カラーマネジメントには、sRGBのモニターでAdobeRGBの写真を表示できる仕組みがある

 AdobeRGBの色域はsRGBより広いです。

 そのため、AdobeRGBの画像データをsRGBのモニターに表示したり、sRGBにプロファイル変換したりしようとすると、表現できない色が出てきます。

 そのように色のデータを渡す先のデバイスの色域に入り切らない色がある場合、カラーマネジメントでは色域圧縮という処理をして、ある程度正確に色が再現されるようにします。

 その結果、AdobeRGBの写真もsRGBのモニターに表示できます。

AdobeRGBのモニターが普及するよりかなり前からカラーマネジメントは普及している

 AdobeRGBの色域をカバーしているディスプレイが普及してきたのは結構最近です。

 一方、ICCプロファイルを利用したカラーマネジメントはすでに2000年代から普及していて、AdobeRGBのデータが扱われ始めています。

 そのため、ごく最近までAdobeRGBのデータはsRGBのモニターで問題なく扱われていました。
 今もsRGBのカラーマネジメントモニターを使っている人はたくさんいて、問題なく作業しています。

 ディスプレイの色域はsRGBくらいしかなくても、カラーマネジメントの仕組みによって問題なくAdobeRGBのデータを扱えるわけです。

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AdobeRGBのデータをsRGBのモニターで表示してくすんだ色になったら、開き方に問題がある可能性が高い

AdobeRGBのデータをsRGBのモニターで表示しても色がくすみはしない

 AdobeRGBのデータをsRGBのモニターで表示したとき、表示しきれない色は表示可能な色域に圧縮されるので、確かに色は少し変わります。

 しかし、色がくすんで写真が正しく表示されない、という状態にはなりません。

 写真は正確に見えているものの、両方を比較すれば、確かに再現しきれない色は少し変化している、ということが分かるという感じです。

色が明らかにくすんでいたりコントラストが違ったりすれば、データの開き方に問題がある可能性が高い

 もしAdobeRGBのデータをsRGBのモニターで表示して色がくすんだり、コントラストが変わったりして、明らかに元の画像が正しく表示されていないようなら、おそらくデータの開き方が間違っています。

 AdobeRGBのデータを、適切にディスプレイプロファイルを使って補正せずに表示すれば、くすんだ変な色に表示される可能性があります。
 あるいは、AdobeRGBのデータを、適切にsRGBにプロファイル変換しないままsRGB色空間で展開すれば、くすんだ変な色で表示されます。

 AdobeRGBのデータを、カラーマネジメントに対応したソフトで開き、キャリブレーションされたsRGB色域のモニターで表示すれば、正しく表示されます。色がくすんだりコントラストが変化したりはしません。

 カラーマネジメントに対応したソフトの例としては、Adobe® Photoshop®などのグラフィック関連のソフトや、一部のMac付属のソフトなどです。

sRGBとAdobeRGBのモニターの表示の違いを示したイメージ画像は、あくまでイメージ

 よく、メーカーのウェブサイトなどで、sRGBのモニターとAdobeRGBのモニターの違いのイメージとして、AdobeRGBはとても写真がきれいに表示されて、sRGBはコントラストが低めできれいでない表示になっていたりします。

 モニターに限らず、色々なメーカーのサイトでsRGBとAdobeRGBの違いの説明としてそのようなイメージ画像をよく見かけます。

 そういった画像は、あくまで違いの雰囲気を感じてもらおうとして掲載されているイメージです。
 たぶん、実際のsRGBモニターとAdobeRGBモニターの表示の差を表しているわけではありません。

 私も印刷会社の色校出力などをする部門で、sRGBのカラーマネジメントモニターを使用して仕事をしてきましたが、sRGBのモニターで適正に表示したAdobeRGB画像が、そこまで元の画像の示す色と違って見えてしまったら、仕事になりません。
 幸い、実際はそのようなことはありません。

ディスプレイの色域より、キャリブレーションをすることを重視するとよい

 写真のデータを正確に見て、カラーマネジメントの仕組みに則って快適に作業するためには、ディスプレイの色域よりも、キャリブレーションをとることをまずは考えた方が良いです。

 ディスプレイの色域は広くても狭くても、とりあえずキャリブレーションがきちんと行われていればほぼ問題なく作業ができます。

sRGBくらいの色域のカラーマネジメントモニターの例

 sRGBくらいの色域でもカラーマネジメントの仕組みを利用した作業が可能なので、現在もsRGBくらいの色域のカラーマネジメントモニターが販売されています。

 例えば以下の製品です。

CS2410

当ブログ参考記事

 以上、sRGBのモニターでAdobeRGBの写真を表示した時にくすんだ色で見えたら、表示方法に問題があることをご説明しました。

当ブログ参考記事

モニターキャリブレーションツールの例


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