写真のスキャニング・データ化

原稿の色を正確にデータ化したい スキャナーのプロファイル作成方法

投稿日:2015年9月10日 更新日:

 ディスプレイプロファイルは、カラーマネジメントモニターやモニターキャリブレーションツールを使うことで、ほぼ自動的に作成されます。

 しかし、スキャナーのプロファイル作成は少しハードルが高いです。

 ここでは、スキャナー用のカラープロファイルの作成方法をご紹介します。

目次

スキャナー用のカラープロファイルの役目

スキャナーのプロファイルを利用してスキャナーのカラーマネジメントを行う

 スキャナー用のカラープロファイルを利用すること、スキャニング結果の画像データを、スキャナーで読み取る原稿と同じ色にすることができます。

 色を扱う機器が色を正確に扱えるようにするため、デバイスプロファイルを作って色を補正します。
 例えば、モニターならディスプレイプロファイル、プリンターならプリンタープロファイルを使って色を補正し、正確な色を表示、出力します。

 スキャナーも、スキャナーの色の読み取り方の特性をカラープロファイルとして記録し、色を補正することで正確に色を扱えるようになります。

スキャナー付属のスキャナープロファイルもある

 プリンターにはたいていプリンタープロファイルが付属しており、プリンタードライバーをインストールする時などにプリンタープロファイルもパソコンにコピーされます。

 同じように、スキャナーに多くの場合スキャナープロファイルが付属しています。

プロファイルを自作することで精度の高いカラーマネジメントが行える

 プリンターもスキャナーも、付属しているプロファイルを使えばある程度カラーマネジメントは行えます。

 しかし、1個1個の機器ごとに少しは色特性が異なり、また日数が経てば色特性は少し変化します。
 そこで、自分でプロファイルを作成することでより精度の高いカラーマネジメントが行えます。

スキャナー用プロファイルの作り方の概要

 スキャナー用プロファイルは次のような手順で作成します。

  1. カラーターゲットを原稿としてスキャニングする
  2. プロファイル作成ソフトで、スキャニングした画像データの色とターゲットの色を比較して対応を調べ、プロファイルを作成する

「カラーターゲット」とは

 「カラーターゲット」は色々な色のパッチが並んで印刷された紙のようなものです。

 並んでいるパッチの色は、どのパッチがどういう色か、絶対的な色の数値で管理されています。
 同じ種類のカラーターゲットならカラーターゲットごとに色のばらつきはありません。

 そのような高い技術力で作られたものです。

 色が変わったら使い物になりませんので、明るいところに放置して変色させてはいけませんし、一定の年月が過ぎると変色してくるので同じものを長年にわたって使って良いものでもありません。

ターゲットの例


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反射原稿用スキャナープロファイル作成 具体的な手順

使用する道具

 この説明では、i1Pro2を使用することにします。

当ブログ参考記事

i1Studioでもスキャナーのプロファイルが作成できます。

当ブログ参考記事

必要な道具の一覧

 i1Pro2でスキャナーの反射原稿用のプロファイルを作成するときに必要な道具の一例は、以下のとおりです。

測色器
X-Rite® i1Pro2
※スキャナーのプロファイル作成では測色器で測色作業をする必要はありませんが、スキャナーのプロファイル作成が可能なi1Pro2シリーズの製品が必要です。
プロファイル作成ソフト
X-Rite® i1Profiler
ターゲット
X-Rite® Digital ColorChecker SG

i1Pro2の入手

 i1Pro2は、色々なライセンスの種類とセット内容で販売されています。
 スキャナーのプロファイル作成が可能なライセンスを入手するには、例えば「i1Photo Pro2」などが必要です。

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X-Rite i1Profilerの入手

 「i1Profiler」は、X−Riteのサイトでダウンロードできます。
 このソフトは、測色器本体に入っているライセンス情報またはドングルのUSBのライセンス情報などを読み込むことで、ライセンスの範囲内の機能が使えるようになります。

 X-Riteの測色器を持っていない場合、ダウンロードして起動しただけではどの機能もデモモードでしか使えません。

Digital ColorChecker SG の入手

 「i1Photo Pro2」には、ターゲットとして使える小さいチャートは入っています。
 精度の高いスキャナープロファイルを作成するためには「i1Photo Pro2」とは別に「Digital ColorChecker SG」を入手した方がよいでしょう。


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ターゲットはi1 Photo pro2付属のミニサイズの「ColorChecker 24」ではだめなのか

 「i1Photo Pro2」に付属している「ColorChecker 24(ミニ)」を使用してもスキャナープロファイルは一応作れます。
 しかし、経験上、「ColorChecker 24」はパッチの数が少ないので、完成したプロファイルの精度はとても低いです。
 作らないでsRGBあたりを指定して作業を進めてもそれほど変わらないくらいです。
 よって、「ColorChecker 24」をターゲットにしてスキャナープロファイルを作成するなら、工場出荷時にスキャナーに付属しているスキャナープロファイルを使用した方が良いかもしれません。

参考 ColorChecker 24(ミニ)

反射原稿用スキャナープロファイル作成の手順

手順1 i1Profilerを起動

 i1Profilerを起動します。

 i1Pro2をパソコンにUSBでつなぎます。

 そうすると、i1Pro2のライセンス情報を読み込んでスキャナープロファイル作成機能が使えるようになります。

 i1Profilerの指示に従って操作を進めます。

手順2 スキャン作業

 i1Profilerの指示に従い、ターゲットタイプに「X-Rite ColorChecker SG」を選択し、「Digital ColorChecker SG」を反射原稿としてスキャナーにセットし、スキャニングします。

 スキャニングするとき、スキャナーのユーティリティーソフト等で一切色の調整や補正を行わない設定にします。

手順3 プロファイル作成

 i1Profilerの指示に従い、カラーターゲットをスキャニングした画像データを読み込みます。

 プロファイルを作成します。

 以上で完成です。

スキャナープロファイルの適用方法

 スキャナープロファイルによるカラーマネジメントを行ってスキャニングは、以下のように行います。

 まず、スキャナードライバーなどで色の処理を一切せずにスキャニングします。
 例えば、スキャナードライバーの設定で色補正なし、ドライバーによる明るさ、色調整等も一切しない設定にします。

 スキャン結果の画像データをPhotoshopなどで開き、画像データのプロファイルとして自分で作成したスキャナープロファイルを指定します。

 この結果、原稿と同じ色のデータが完成します。

当ブログ参考記事

透過原稿用のスキャナープロファイル作成 具体的な手順

透過原稿のスキャニング用のターゲットを使用して、反射原稿のときと同じように作成する

 i1Profiler透過原稿のスキャン用のスキャナープロファイル作成ができるようになっています。

 透過原稿のスキャニング用のプロファイル作成は、透過原稿のスキャニング用のターゲットを使用して行います。

 手順はほぼ反射原稿のときと同じです。

透過原稿用のターゲットが手に入りにくい

 しかし、透過原稿用のターゲットがマイナーすぎてどこで売っているかよくわかりません。
 ネットで検索しても、すでに製造終了していたりします。
 X-Rite®やKodak®などに直接問い合わせないとわからないかもしれません。

 たぶん、デジカメの時代になったことで、印刷会社を含めてフィルムのスキャニングを行う機会が極端に少なくなり、スキャナー用のターゲットも需要が少なすぎるためどこにも売っていないのではないかと思います。

外国の通販サイトには売っている場合もある

 外国の通販サイトには透過のターゲットを売っているところもあります。
 日本から買えるのかどうかは分かりません。

 参考に、以下にいくつか通販サイトのリンクを掲載します。

スキャナードライバー任せでスキャニングするとよい

 そこまでして透過原稿用のスキャナープロファイルが必要か、という疑問もあります。

 よほど撮影の上手な人が撮影したフィルムでない限り、フィルムに焼き付けられたままの写真はまだ仕上がりが不完全な写真です。
 フィルムを店にプリントに出したときに、店の技能者が明るさなどの調整を施して仕上げた上でプリントすることで、完成した仕上がりの写真になります。

 よって、フィルムのスキャンを行う場合も、スキャニング後の画像データにAdobe® Photoshop®などで画像処理を施さないと良い仕上がりの写真にはなりません。

 以上のことから、写真のフィルムをスキャニングする場合はカラーマネジメントを利用せず、スキャナードライバーの処理にまかせてスキャニングすることをおすすめします

注意点 カラーマネジメントの意味

 カラーマネジメントによって原稿と同じ色のデータが完成しますので、もし原稿自体の色に不満がある場合は、その不満のある色のままデータができあがることになります。

 カラーマネジメントは良い色を作る技術ではなく、色を変えずに次のデバイスへデータを渡していく技術だからです。

スキャナー用プロファイル作成ソフトとターゲットがセットになったスキャナーもある

 上記では、スキャナーとは別にツールを用意してスキャナー用プロファイルを作成する場合をご紹介しました。

 スキャナーによっては、スキャナー用プロファイル作成ソフトとプロファイル作成用の反射原稿用ターゲット、透過原稿用ターゲットがセットになったものもあります。

 透過原稿用ターゲットを単体で購入しようとするとなかなか売っている場所がみつかりませんが、初めからセットになっているスキャナーなら、透過原稿用のプロファイルも作成できます。

EPSON® GT-X980

 EPSON®のGT-X980には、スキャナー用プロファイル作成ソフトと、プロファイル作成用の反射原稿用ターゲット、透過原稿用ターゲットが同梱されているとのことです。

 メーカーのサイトなどでは同梱されていると書いてありますが、詳しくは店の人に確認して下さい。


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測色器などの電子機器の廃棄方法 〜小型家電リサイクル法に基づいて〜

 電気製品は一定の年数が経てば壊れてしまいます。
 カラーマネジメントツールも測色器などは電子機器なので、一定の年数が経てば壊れてしまいます。

 カラーマネジメントツールの中でも測色器など電子機器が壊れた場合、廃棄方法は気をつける必要があります。

 電子機器はたいてい希少金属が入っているので、単純に「燃やせないゴミ」などに出すとせっかくの希少金属が再利用できなくなるので避けるべきです。

 かといって、引き取ってもらう先を間違えると、国際法の網をくぐって外国へ輸出され、適切に再資源化もされないまま現地で鉛や水銀汚染などが起こり人々が健康被害で苦しむという恐るべき事態が引き起こされます。
 すでにそういった事態は引き起こされ、深刻な状況になっています。

当ブログ参考記事

 以上、スキャナー用プロファイルの作成方法をご紹介しました。

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