カラーマネジメント実践ブログ 〜フォトレタッチの現場から〜

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スキャン解像度の決め方 写真のスキャニング時に悩まないために

      2018/10/12

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 スキャナーでプリント写真やフィルムなどをスキャンしてデータ化するとき、解像度をいくらでスキャンすればよいかよく分からないことが多いのではないでしょうか。

 ここでは、スキャナーでスキャン作業をするときの解像度の決め方をご説明します。




前提 ここで説明するのは普通の写真など階調のある原稿をスキャンする場合のスキャン解像度

 ここで説明するスキャン解像度は、普通の写真など階調のある原稿をスキャンする場合のスキャン解像度です。

階調のある原稿とは、色々な濃さがある原稿

 階調のある原稿というのは、薄い場所、もっと薄い場所、濃い場所、などがある原稿のことです。

 普通の写真、カラーのイラスト、水墨画などは、薄い場所、濃い場所、真っ黒な場所、真っ白な場所、など色々な濃さの部分があります。
 よって階調のある原稿です。

階調のない原稿とは、真っ白な部分と真っ黒な部分しかない原稿

 一方、黒い文字、線画のイラスト、などは、真っ黒な場所か真っ白な場所しかありません。
 真っ黒な場所と真っ白な場所の2種類の濃さしかない原稿は、階調のない原稿です。

手順1 最終的な出力サイズと、最終的な出力用データの解像度を決める

 最終的な出力(例えばプリンターで印刷する、印刷会社でオフセット印刷する、パソコン画面で表示するだけ、など)において、どういうサイズで出力したいか、どのくらいの解像度のデータで出力するのが適当かを決めます。

 ここで決める解像度は最終的に出力するときの希望の解像度であり、スキャンするときの解像度とは別です。

最終的な出力サイズの決め方の例

例1 自宅のインクジェットプリンターで印刷する場合

 例えば、自宅のインクジェットプリンターでL判(127mm×89mmくらい)で印刷したいなら、127mm×89mm

 自宅のインクジェットプリンターでL判で印刷するが、後々A3サイズでも印刷できるようにしておきたいなら、420mm×210mm。

例2 パソコンで作るチラシに画像をレイアウトする場合

 自分でパソコンで作るA4判サイズのチラシに、幅150mmくらいで貼り付けたいなら、幅150mm縦ナリ

例3 Illustratorなどでデータを作って印刷会社に依頼する場合

 印刷会社に印刷を依頼する予定でA3判のチラシをIllustratorなどで作成中で、そこに縦300mmで画像を貼りたいなら、幅ナリ縦300mm

例4 大判インクジェット出力のサービスに依頼する場合

 大判インクジェット出力のサービスに、A2サイズでの出力を依頼する予定なら、420mm × 594mm くらい

最終的な出力用データの解像度の決め方の例

 最終的な出力用データの解像度を決めると言われても、どのくらいにすれば良いか分からないことが多いと思います。

 以下に代表的な例をあげておきます。

 なお、以下に示す解像度より低い解像度のデータでも出力できないわけではありません。
 出力結果が粗くてきちんとした写真・製品とは言えない仕上がりになる、というだけです。

例1 自宅のインクジェットプリンターで印刷する場合

 余裕をもって350dpi
 データが重くなるのが嫌な場合は300dpiで間に合います。
 簡易的に出力するだけで画質にそれほどこだわらないなら200dpiでも一応きちんと印刷できます。

例2 写真プリントの店にプリントを依頼する場合

 300dpiで間に合います。

例3 印刷会社に印刷を依頼する場合

 通常は350dpiで間に合います。

 一般的なオフセット印刷で、最も高い解像度が必要な175線の印刷が350dpiで間に合うためです。

 上質紙や新聞紙に印刷するなら350dpiより低い解像度で間に合うので、350dpiで作っておけばほとんどの場合間に合います。

例4 大判インクジェット出力のサービスに依頼する場合

 余裕を持って300dpi
 データが重くなりすぎて扱えきれない場合は、200dpiでも間に合います。

手順2 スキャンする原稿の寸法を測る

 これからスキャンするプリントした紙焼き写真、フィルム、イラストなど、原稿の縦横の寸法を測ります。

 35mmフィルム(36×24mm)や、L判(127×89mm)のプリントなど、はじめからサイズが分かっているものは測らなくても大丈夫です。

 なお、小数点以下まで精密に測らなくても、約●mmと分かればそれで大丈夫です。

手順3 スキャン作業の解像度を割り出す

 最終出力のサイズ最終出力用データの解像度、が決まり、原稿の寸法、が分かりました。
 次にこれらを使ってスキャン解像度を計算します。

方法1 画像編集ソフトを使用して解像度を決める方法

 計算して解像度を決めるのはややこしいですが、画像編集ソフトなどを使うと簡単に必要な解像度が分かります。

Adobe® Photoshop®を使う場合

手順1 最終出力の寸法・解像度で新規画像を作成

操作 [ファイル > 新規]と進み、先ほど決めた最終出力の寸法、最終出力用データの解像度で新規画像を作成します。

 ここでは例としてA4判(210×297mm)、350dpiの新規画像を作成します。

最終出力の寸法、解像度で新規画像を作成

手順2 作成した新規画像の寸法を変更してスキャン解像度を計算

操作 メニューから[ イメージ > 画像解像度 ]と進みます。

操作再サンプル」のチェックを外します。

操作 スキャンする原稿のサイズを入力します。
 35mmのフィルムをスキャンするなら長辺に36mm、L判のプリントをスキャンするなら長辺127mmなどを入力します。

 ここでは例として、35mmフィルムをスキャンする場合を考えて長辺に36mmと入力します。

「画像解像度」のダイアログで長辺に36mmと入力

 解像度の欄に解像度が表示されます。これがスキャン作業で必要なスキャン解像度です。

 例として、35mmフィルムをスキャンしてA4判350dpiの画像データを作りたい場合、下図のとおり約2890dpi程度でスキャニングすれば良いことがわかりました。

必要なスキャン解像度が表示された

GIMPを使う場合

手順1 最終出力の寸法・解像度で新規画像を作成

操作 [ファイル > 新しい画像]と進み、先ほど決めた最終出力の寸法、最終出力用データの解像度で新規画像を作成します。

 ここでは例としてA4判(210×297mm)、350dpiの新規画像を作成します。

最終出力の寸法、解像度で新規画像を作成

手順2 作成した新規画像の寸法を変更してスキャン解像度を計算

操作 [ 画像 > 印刷サイズ ]と進み、「画像印刷解像度の設定」ダイアログを表示します。

操作 解像度の欄の水平、垂直をつなぐ鎖のマークはつながった状態にしておきます。

操作 寸法の欄に、スキャンする原稿のサイズを入力します。

 ここでは例として、35mmフィルムをスキャンする場合を考えて長辺に36mmと入力します。

「画像解像度」のダイアログで長辺に36mmと入力

 水平解像度、垂直解像度の欄に同じ解像度が表示されます。これがスキャン作業で必要なスキャン解像度です。

 例として、35mmフィルムをスキャンしてA4判350dpiの画像データを作りたい場合、下図のとおり約2890dpi程度でスキャニングすれば良いことがわかりました。

必要なスキャン解像度が表示された

方法2 手で計算して解像度を決める方法

 手で計算してスキャン解像度を割り出してみます。

 例として、35mmフィルムをスキャンしてA4判350dpiの画像データを作りたい場合、のスキャン解像度を割り出してみます。

手順1 最終出力サイズが原稿の何倍か計算する

 最終出力サイズが原稿のサイズの何倍かを計算します。

 ここの例では最終出力サイズはA4判(210×297mm)、原稿のサイズは35mmフィルム(24×36mm)です。

 長辺を使って何倍か計算します。

297 / 36 = 8.25 倍

 最終出力サイズは原稿のサイズの8.25倍です。

手順2 最終出力用データの解像度に、今割り出した数をかける

 最終出力用データの解像度に、上記で何倍か割り出した数をかけます。

 ここでは最終出力用データの解像度は350dpi、最終出力サイズは原稿サイズの8.25倍なので、計算は以下のとおりです。

350 × 8.25 = 2887.5

 この結果、スキャン作業で必要なスキャン解像度は約2890dpiであることが分かりました。

 以上、スキャンするときの解像度の決め方をご紹介しました。

当ブログ参考記事

当事務所のフォトレタッチサービス

 スキャン後の写真データをご自分でレタッチしきれない場合などに、ご依頼いただけると幸いです。

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 - 写真のスキャニング・データ化 ,