カラーマネジメント実践ブログ 〜フォトレタッチの現場から〜

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写真の色の調整 〜フォトレタッチ入門 第7回 基本〜

      2018/11/19

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 ここではAdobe® Photoshop®を使用した写真の色の調整の手順の一例をご紹介します。




Camera Rawから書き出した画像データをPhotoshopで開く

 明るさコントラストの調整はCamera Rawで行いましたが、それ以降の処理はPhotoshopを使用して行います。

操作 Camera Rawを使って明るさ・コントラストを調整し、psdデータとして書き出した画像データをPhotoshopで開きます。

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Camera Rawで明るさ・コントラストを調整済みの写真

特定の部分の明るさの調整

 Camera Rawで写真全体の明るさの調整は済んでいますが、写真によっては特定の部分だけもう少し明るくしたい、あるいは暗くしたいという場合があります。
 例えば顔をもう少し明るくしたい、集合写真で照明が強く当たっている人の顔が明るすぎるので暗くしたい、などです。

明るくする場合

操作 背景レイヤーを複製し、レイヤーの演算モードを「スクリーン」にし、レイヤー全体をレイヤーマスクでマスクします。

操作 境界をぼかしたブラシを使用して、マスクワークで明るくしたい特定の場所だけ明るくします。
 80%グレー、50%グレーなどを使って明るさを調節します。

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演算モード「スクリーン」で乗せたレイヤーを使用して明るさの調整

操作 暗くする場合はレイヤーの演算モードを「スクリーン」ではなく「乗算」にします。
 あとは明るくする処理と同じようにマスクワークで特定の部分を暗くします。

レベル補正の微調整

操作 Camera Rawにおける処理でレベル補正はほぼ適正になっていますが、さらに微調整が必要な場合は調整レイヤーのレベル補正で微調整します。

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「レベル補正」でレベルの微調整

写真全体のカラーバランス

 次に色の調整をします。

操作 調整レイヤーの「カラーバランス」を作成します。

操作 「輝度を保持」のチェックを外します。

ハイライトのカラーバランス

操作 「階調:ハイライト」を選びます。

操作 3種類あるそれぞれのスライダーを動かして、色のズレの感じない位置にスライダーを移動します。

説明 スライダーの動かし方を「イエロー・ブルー」のスライダーで説明します。
 スライダーを左に大きく動かすと写真が明らかに黄色くなります。
 右に動かすと明らかにブルーになります。
 写真全体にこの黄色っぽさ、ブルーっぽさのどちらも感じないようなスライダーの位置を探します。
 そのようにして各スライダーを調整します。

コツ ホワイトバランスの取れている位置を探そうとすると、やりにくいです。
 それよりも上記の説明の通り、ズレた色を感じない場所を探そうとするとうまく行きます。
 それがホワイトバランスの取れた状態になります。

コツ また、ハイライトの調整だからと言って、ハイライト部分だけを気にすると調整がうまくいきません。
 写真全体の色のズレを感じ取ります。

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カラーバランスの調整

シャドウのカラーバランス

操作 シャドウのカラーバランスは、ハイライトのカラーバランスの調整と基本的に同じ手順です。「階調:シャドウ」を選び、あとはハイライトの調整と同じように操作します。

中間調のカラーバランス

操作 中間調のカラーバランスは先ほどシャドウ・ハイライトのカラーバランスを行ったカラーバランスの上に、新たなカラーバランスの調整レイヤーを作成して行います。

操作 「輝度を保持」のチェックを外し、シャドウ・ハイライトのカラーバランスのときと同じ要領で操作します。

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カラーバランスの調整

取り除ききれない余分な色の解消

 ここまでの操作をしても、まだ不要な色を感じる場合がよくあります。
 多いのは、どうも黄色っぽく感じる、という場合です。
 そのような、カラーバランスでも解消しきれない色のズレは以下のように解消します。

操作 調整レイヤー「特定色域」を作成します。

操作 「カラー:白色系」を選び、相対値・絶対値のうち「相対値」を選びます。

操作 写真に感じる不要な色のスライダーを動かし、不要な色を解消していきます。例えば、黄色っぽく感じるなら「イエロー」のスライダーを左に動かします。

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「特定色域」でカラーバランスの微調整

写真全体の色の演出

 カラーバランスが調整できた段階で、写真全体の色の演出が必要な場合はカラーバランスなどで演出します。
 例えば料理の写真などです。

 元の写真がプロが撮影したとても上手な写真で、料理なども料理がおいしそうに見える色温度で撮影されているなら、その色を活かして写真を仕上げるのが良いでしょう。

コツ 一方、プロが撮影した写真でない場合、一度カラーバランスで色かぶりを完全に取り去ったあと、改めて色の演出を行った方がうまく行きます。

例 料理の写真

操作 色の演出用のカラーバランスの調整レイヤーを作成します。

操作 「階調:中間調」を選び、「シアン・レッド」のスライダーを+10など少しレッド側、「イエロー・ブルー」のスライダーを−10など少しイエロー側に動かし、写真全体を暖色にします。

操作 または、調整レイヤーのレンズフィルターをかけて、「輝度を保持」にチェックを入れ、暖色系のフィルターを選んで調節します。

 写真全体の色温度を調節する方法は色々ありますので、より自然に処理できる方法を選びます。

特定の場所の色の演出

 写真全体の色の演出が終わったら、特定の場所を選んで色の演出をします。この作業が必要になるのは主に人の肌と植物の緑などです。

人の肌の演出

 人の肌の演出の仕方を説明します。
 なおこの方法が使えるのは主に黄色人種の人の肌の場合です。

操作 調整レイヤー「特定色域」を作成し、相対値・絶対値のうち「絶対値」を選びます。

 この調整レイヤーで人の顔に最適な調整をし、調整が済んだらマスク処理で効果を人の肌だけにかけるようにします。

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操作 「カラー:レッド系」を選びます。

操作 「シアン」を−10%など少しマイナスにすることで、肌のシアンを取り除いて濁りを解消します。

操作 「ブラック」を−10%など少しマイナスにすることで、肌を少し明るくします。明るくすると肌がきれいに見えます。

操作 「マゼンタ」のスライダーを左に動かし、顔が赤ら顔に見えないよう調整します。黄色くなっても気にせず、とにかく赤ら顔には見えないところまで動かします。

操作 次に「カラー:イエロー系」を選びます。

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操作 「イエロー」のスライダーを左に動かし、顔が黄色くなく好ましい肌の色になるよう調整します。

操作 この操作で顔の色が抜け過ぎるようなら、「イエロー」は一定のところで止めて、「マゼンタ」のスライダーを右に動かしてイエローにマゼンタを入れることで好ましい肌の色に調整します。

操作 調整が済んだらマスク処理で「特定色域」の効果が人の肌だけにかかるようにしておきます。

操作 最後に今マスク処理したレイヤーマスクを「Ctrl+クリック」で選択範囲として読み込み、調整レイヤー「色相・彩度」を作成して好ましい彩度に調整します。

植物やサラダなどの緑の演出

 植物の生き生きとした緑やサラダの新鮮そうな緑は単純に写真全体を色調整してもなかなか表現されないので、部分を狙った色の演出をします。

操作 調整レイヤー「色相・彩度」を作成します。

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操作 「グリーン系」を選びます。

操作 スポイトツールを選び、葉っぱなど調整したい対象をクリックし、さらに「Shift」を押しながらクリックして調整したい対象全体の色を拾います。

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操作 「色相」「彩度」スライダーをそれぞれ動かして好ましい緑色になるように調整します。

操作 調整が終わったら、マスク処理で色相・彩度の効果が調整したい対象にだけかかるように処理します。

写真全体の彩度の調整

操作 調整レイヤー「色相・彩度」を作成し、写真全体の彩度を調整します。

操作 「色相・彩度」で自然にならない場合、「自然な彩度」を使用しても良いです。

調整具合の確認

操作 背景レイヤーの上に乗せたすべてのレイヤーを選択し、[Ctrl+G]でグループ化します。

操作 グループの左横の目のマークを入り切りして、レイヤーの表示・非表示を切り替えて色の調整具合を確認します。

データの保存

操作 以上で色の調整は終了です。psdデータとして保存して閉じます。

 以上の処理は一例です。
 他に何通も処理方法があるので、以上の説明でうまくいかない場合は、その都度最も自然にうまく処理できる他の方法を選びます。

 以上、写真の色の調整の手順の一例をご紹介しました。

当ブログ参考記事

当事務所のフォトレタッチサービス

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