カラーマネジメント実践ブログ 〜フォトレタッチの現場から〜

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前段階のレベル補正 〜フォトレタッチ入門 第5回 基本〜

      2018/09/12

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 ここでは写真のレンジの調整の手順をご説明します。

 ある程度普通に撮影されている写真の場合、レベル補正も含めて明るさ・コントラストをPhotoshopのプラグインのCamera Rawを使用して行えます。
 しかし、かなり大幅なレベル補正が必要な写真の場合、Camera Rawだけでレベル補正を行うと自然な仕上がりになりません。
 そこでCamera Rawに行く前にPhotoshopでレベル補正を行っておきます。




前段階のレベル補正が必要な写真の判断

 Adobe® Photoshop®で画像データを開いてみます。

 前段階でのレベル補正が必要な写真は、十分明るいハイライトの部分がない抜けの悪い写真です。

 例えば下の写真はハイライトがありません。全体が暗くて抜けが悪いです。

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ハイライトのない写真の例

操作 Photoshopの[レイヤー>新規調整レイヤー>レベル補正]でレベル補正の調整レイヤーをかけ、ヒストグラムを見てみます。

レベル補正の画面のヒストグラムを見ると便利

 ヒストグラムを確認する場合、ヒストグラムのパネルを表示させるよりレベル補正画面に表示されるヒストグラムを見た方が便利です。
 どのみちヒストグラムを見ながらレベル補正の調整を行う場合がほとんどだからです。

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レベル補正でヒストグラムを確認

 ヒストグラムのハイライト側がかなり空いています。
 これが写真の抜けの悪さの原因です。

 このような写真は前段階で一度レベル補正を施しておいた方が、その後の処理がしやすくなります。

 このような写真は、暗めに写った写真の他、スキャニングした画像に多いです。

 写真の見た目に特にハイライトがないような感じがせず自然に見えるなら、前段階でのレベル補正は必要ありません。

ハイライトがなくても自然に見えるならそのままで問題ない

 意図してハイライトがないように撮影した写真もありますし、日没後の風景ならあたり全体が薄暗いのでハイライトはなくても自然な場合もあるかもしれません。

 そういった写真で無理にハイライトの部分を作ると、記憶している風景と全然違う日中のような写真になってしまうかもしれません。

 そのように、ハイライトがなくても自然な写真は無理にハイライトを作らずに進めます。

前段階のレベル補正の方法

調整レイヤーでレベル補正する

 先ほど表示した調整レイヤーのレベル補正で、レベル補正を行います。

 ハイライト側のポインタを動かしてヒストグラムの山に付きそうな位置に移動します。

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 レベル補正を行った結果、階調が失われてしまうのは避ける必要があるので、RGB値が255になっている場所がないか念のため確認します。

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 場合によってはこのように数値を見ながら、飛ばないギリギリまでもっとハイライトを明るくする場合もあります。

 また、色がかなりずれて撮影されている写真の場合、レベル補正をRGBそれぞれのチャンネルに分けて調整しないと正常にならないこともあります。

画像統合して保存

 画像統合をするとき、できる限り画質を落とさないように処理するため、16bitのモードの状態でレベル補正の演算をします。

 調整レイヤーは、画像を表示するときに元のピクセルに演算をして変化させて見せているだけで、元のピクセル自体はまだ変化させられていません。
 16bitのモードで画像を処理してできるだけ画質を落とさないようにしたい場合、ピクセルに演算処理が加えられる時だけ16bit/チャンネルにすれば問題ありません。

 さらに、16bit/チャンネルのモードではデータの持つ情報が8bit/チャンネルのときよりとても多くなり、重くて扱い切れなくなる場合もあります。
 そこで、通常は8bit/チャンネルにしておいて、画像統合やレイヤーの統合などピクセルに直接変化が加えられる処理をするときだけ16bit/チャンネルのモードにするようにします。

16bit/チャンネルのモードにする

操作 [イメージ>モード>16bit/チャンネル]で16bit/チャンネルのモードにします。

画像統合

操作 [レイヤー>画像統合]で画像統合します。

8bit/チャンネルのモードに戻す

操作 [イメージ>モード>8bit/チャンネル]で8bit/チャンネルのモードに戻します。

TIF(LZW圧縮)などで保存

操作 JPGのような不可逆圧縮の形式でない、TIF(LZW圧縮)などの保存形式で保存して閉じます。

 以上で前段階でのレベル補正の作業は終了です。

当ブログ参考記事

フォトレタッチの本

 - Photoshopの使い方