カラーマネジメント実践ブログ 〜フォトレタッチの現場から〜

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元画像のプロファイルの確認 〜フォトレタッチ入門 第3回 基本〜

      2018/10/25

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 ここではこれからフォトレタッチ作業を行う元画像データのプロファイルを確認する手順をご説明します。

 自分で撮影したデータで、プロファイルがどうなっているか確認する必要がなければこの作業は飛ばすこともできます。




元画像データのプロファイルの確認

 フォトレタッチを始める前に、元画像データはどういうカラースペースで撮影・作成されたかの確認、カラープロファイルが埋め込まれているかいないかの確認を行う必要があります。

 また、一般的でないカラースペースで作成されたデータの場合は、一度一般的なカラースペースにプロファイル変換する必要がある場合もあります。

1.Photoshopで元画像データを開く

 Photoshopで元画像データを開きます。

2_srgb_true

Photoshopで元画像データを開く

2.埋め込みプロファルを確認する

 情報パネルでカラープロファイルがどうなっているか確認します。

※情報パネルにカラープロファイルについての表示がなければ、パネルオプションで「ドキュメントのプロファイル」にチェックを入れておきます。

カラープロファイルが埋め込まれている場合

2_info_srgb

2_info_adobergb

 上の二つ図のように、何らかのカラープロファイル名が表示されていれば画像データにカラープロファイルが埋め込まれているということです。

 sRGB、AdobeRGBのようなメジャーなプロファイルが埋め込まれていればこのままレタッチ作業を行えるので、確認終了でデータを閉じます。

 もし、あまり見慣れないカラープロファイルが埋め込まれていて、かつ写真の見た目が特に不自然でない場合、安全のため一度Adobe RGBにプロファイル変換するのが無難です。

2_profile_convert_to_adobergb

AdobeRGBにプロファイル変換する

 プロファイル変換したらTIF(LZW圧縮)などで保存して閉じます。

カラープロファイルが埋め込まれてない場合

2_info_notag

 上図のように「タグのないRGB」と表示されている場合、画像データにカラープロファイルが埋め込まれていないということです。

 カラープロファイルが埋め込まれていない場合、この画像データがどういうカラースペースで撮影・作成されたかを推測する必要があります。

 画像を見てみます。以下のような見た目だったとします。

2_set_adobergb_tag_no

 この状態は、RGBの画像データをPhotoshopのカラー設定でRGBの作業用カラースペースとして指定してあるAdobe RGBの色空間で展開した状態です。自然なようにも見えますが、赤い彩度の高い部分が色飽和を起こしてディテールが失われているような感じもします。

 カラースペースを推測するため、カラープロファイルの指定をします。

2_profile_setting

カラープロファイルの指定

 sRGBなど、おそらくこれではないかと思うプロファイルを指定して、プレビューのチェックを入れたり外したりして色の変化を見ます。

 この例の写真の場合、sRGBを指定すると一番自然な感じになりました。

2_srgb_true-2

sRGBを指定した状態

 上の写真はsRGBを指定した状態です。
 プロファイル指定前の写真と比べると、全体の彩度が下がって自然に落ち着き、彩度が高い赤い服のディテールがきちんと見えています。
 よってこの写真はおそらくsRGBで作成されたのではないか、と私は推測しました。

 どのカラースペースで作成されたのか判断する鍵は、彩度の高い部分が色飽和せずディテールが生きていて、かつ全体の彩度が低すぎない、という点です。

 プロファイルが正しく指定できたら、TIFなど不可逆圧縮でない保存形式で保存して閉じます。ちなみにTIFで保存する場合圧縮なしだとデータが大きくて扱いにくいのでTIF(LZW圧縮)がおすすめです。

※この他、画像が作成されたカラースペース以外のカラープロファイルを指定すると、極端な場合以下のように変な色になります。

2_prophotorgb_false

ProPhotoRGBを指定してみた状態

 上の写真はProPhotoRGBを指定してみた場合です。彩度が高くなりすぎて大変な状態になっています。これなら一目でこのカラースペースでないと判断がつきます。

2_printerrgb_false

RGBプリンター用のプロファイルを指定した状態

 上の写真はRGBプリンター用のプロファイルを指定した状態です。同じRGBカラープロファイルでもプリンターの色特性を表したカラープロファイルを指定したりすると正しくない色になります。

プロファイルが埋め込まれているのに写真の色が不自然な場合

 プロファイルが埋め込まれているにも関わらず写真の色が不自然な場合、データの提供元でプロファイルの操作を間違っている恐れがあります。

 このような場合は、プロファイルが埋め込まれていない場合と同じ手順で本来のプロファイルを推測します。

 正しいプロファイルが指定できたら、TIF(LZW圧縮)などで保存します。

データがCMYK画像で、プロファイルが埋め込まれている場合

 CMYKデータをCMYKのままフォトレタッチを行うのは支障があるので、AdobeRGBなどにプロファイル変換し、TIF(LZW圧縮)などで保存します。

データがCMYK画像で、プロファイルが埋め込まれていない場合

 RGB画像でプロファイルが埋め込まれていない場合と同じ要領で、いろいろなCMYKカラープロファイルを指定してみて、作成されたときのカラースペースを推測します。

 可能性が高いのは、Japan Color 2001 Coatedです。Adobeのソフトに初めから入っていて、グラフィックデザインの教則本で推奨しているカラー設定にするとCMYKの作業スペースはJapan Color 2001 Coatedになるので、あとはユーザーがプロファイルを気にせずCMYK変換した場合などはJapan Color 2001 Coatedに変換されるからです。

 Japan Color 2001 Coatedでもだめなら、SWOP、GRACol、FOGRAなどの規格のカラープロファイルを指定してみます。

 どれを指定してもいまいちな場合は、諦めて最もましに見えるカラープロファイルを指定します。

 CMYKカラープロファイルの指定ができたら、AdobeRGBなどのRGBカラープロファイルにプロファイル変換し、TIF(LZW)などで保存して閉じます。

補足 なぜCMYKでレタッチ作業を進めると支障があるのか

 CMYKのデータは、通常は最終的な出力の条件に合わせて各チャンネルの割合を絶妙に調整してあるデータなので、そのデータを最終出力用でなく色の調整用として色を変えてしまうのは本来の用途と違い、あまり適切でありません。

 CMYKの特にK版は最終出力の条件に合わせて絶妙な状態にしてあり、場合によってはたくさん入っていたり、部分によってK版だけにしていたり、わざとK版を0にしていたりします。また色の濁りを出したくない場所を意図してC版を0にしていたり、Y版を0にしていたりもします。

 また、CMYKのカラースペースは狭いので、フォトレタッチ作業で色を変化させようとしても大きく変化させられません。さらに、CMYKのカラースペースで表現できる範囲で色を変化させるときにも、RGBデータよりとても色が変化しにくいです。

 以上のような理由で、CMYKデータのままフォトレタッチを行うということは通常はしません。

 以上、元画像データのプロファイルを確認する手順をご説明しました。

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