ネガフィルムをスキャンする時、スキャナードライバーに自動調整させずに単純にスキャニングすると、かなり変な色になります。
単純にスキャニングした写真を、Adobe® Photoshop®を使って手動で正常な色にする調整の一例をご紹介します。
ネガフィルムを自動調整なしで単純にスキャニングする
スキャナーで、ネガフィルムをスキャナードライバーによる自動調整なしでスキャンしてみます。
ネガフィルムを単純にスキャニングしてみる
スキャナーが原稿の色のままスキャンしてくれました。
かなり変な色です。
Photoshopで画像調整する
Photoshopで調整します。
なお、sRGBの画像データではここでの実演くらい色を変えるのが難しいです。
激しく色を操作してきれいに仕上げるには、スキャン時にAdobeRGBのデータとして完成しておいた方が良いでしょう。
レベル補正をする
レベル補正します。
RGBをまとめた全体のヒストグラムはそれほど変ではないです。
RGBをまとめたヒストグラム
レッドチャンネルのヒストグラムはハイライト側が空きすぎていて明らかにおかしいので、詰めて調整します。
レッドチャンネルのレベル補正
グリーンチャンネルは特にシャドウ側が空きすぎていておかしいので、詰めて調整します。
グリーンチャンネルのレベル補正
ブルーチャンネルもシャドウ側が空きすぎなので、詰めて調整します。
ブルーチャンネルのレベル補正
以上、ヒストグラムだけを見てレベル補正すると下図のようになります。
レベル補正だけ行った状態
トーンカーブでコントラストの調整
トーンカーブでコントラストを高めます。
トーンカーブでコントラストを高める
写真は下図のようになります。
コントラストまで調整した状態
カラーバランスで色調補正
カラーバランスで色調補正をします。
キャリブレーションをとってあるディスプレイを使って、見た目で調整します。
シャドウ部分のカラーバランス
ハイライト部分のカラーバランス
中間調のカラーバランス
カラーバランスの調整まで終わると写真は下図のようになります。
カラーバランスの調整まで終わった状態
細かい微調整
全体で調整しただけでは足りない場合は、マスクを使うなどして部分的な微調整をします。
特定色域でほんの少し感じる不要な色をなくしてみます。
特定色域
特定色域で調整した結果下図のようになります。
特定色域で調整した結果
「色相・彩度」で植物の色を少し演出します。
色相・彩度
「色相・彩度」で植物の色を処理した結果下図のようになります。
色相・彩度で植物を調整した結果
その他細かい処理をしてスキャン画像の完成
その他、ゴミを取ったり傾きを直したりして完成です。
用途に合わせてサイズ変更したりプロファイル変換したりシャープネス処理したりして使います。
ネガフィルムをスキャンした写真の完成
元の写真
以上、ネガフィルムから単純にスキャニングした写真を、Adobe® Photoshop®を使って手動で正常な色にする調整の一例をご紹介しました。
参考記事


