カラーマネジメントの基本 カラーマネジメント関連機器

カラーマネジメント 部屋の照明は何を使えば良いのか

投稿日:2016年1月4日 更新日:

 ディスプレイやプリンターのカラーマネジメントも行い、さらに部屋の照明もカラーマネジメントに対応させようとしたとき、どういう照明を買えばよいか迷う方が多いのではないでしょうか。
 電気量販店に行っても、意外にも色評価用の照明は売られていないこともあります。
 ここではカラーマネジメントを行うにあたり、部屋の照明をどうすれば良いかをご紹介します。

反射原稿・印刷物の観察用の照明の規格

 反射原稿・印刷物は、以下の条件の照明で観察することが推奨されています。

CIE昼光D50 平均演色評価数Ra95以上

(※ここに掲載したものは主な数値のみです。実際はもう少し詳しいです。)

観察条件の日本印刷学会推奨規格について

(一社)日本印刷学会推奨規格 JSPST-2008「製版・印刷分野における反射物とディスプレイの色評価を伴う作業時の観察条件」が、日本印刷学会のウェブサイトで販売されています。

参考ウェブサイト

どういう製品を選べばよいか

 実際は以下の条件の照明を選べば良いでしょう。

色温度5000K 平均演色評価数Ra95以上(または 演色AAA)

さらに、できれば「色評価用」と書いている製品の方が好ましいです。

色温度について

 色温度5000Kは、昼白色のLED照明や蛍光灯と同じような色です。
 昼光色の照明より黄色いです。昼間の太陽の光の色温度が5500Kくらいで、それに近い色です。

 もし、自分は写真を見るときにもっと青白い光の照明で見る、写真を送る相手ももっと青白い照明でみると思われる、または写真を展示する場所の照明はもっと青白い、というような場合、無理に色温度5000Kの照明でなくても、6500Kくらいの色温度の照明などでも良いでしょう。

 ようは、実際に写真を見て楽しむときの照明と同じ色温度で作業するのが望ましいです。

 ただ、通常「色評価用、高演色性」として売られている照明は5000Kのものが多いです。

具体的な商品の例 LED

主に法人向けの製品 〜高演色の直管形LED照明、光源一体型LED照明など色々ある〜

 主に法人向けなどで、20形や40形の直管蛍光灯を直管形LED照明に付け替える製品があります。
 金口も従来の蛍光灯と同じG13で、従来の蛍光灯用照明器具にバイパス工事というものを施せば、LEDに付け替えられます。
 内部の配線を変えるので、取り付けは業者の人が行うことになります。

 この方法で付けるLED照明はほとんどが法人向けとして紹介されているようです。
 事務所の40形蛍光灯をLED化するようなケースを想定して、見積もりの受付などがされています。

 そして、そのような直管LEDランプで高演色性の製品も発売されています。

 蛍光灯を付け替える直管形LEDランプ以外に、器具と光源一体型の高演色性LED照明も色々発売されています。

 業務用のものでも、問い合わせると個人でも購入可能なものもあります。

主に法人向け 具体的な製品やメーカー

高演色性の直管LEDランプの例

 工事を施して、直管蛍光灯をLED化するタイプの直管LEDランプの例として以下のような製品があります。


楽天市場 Amazon

各種高演色LEDを扱っているメーカー

 金口G13の直管LEDランプや、光源一体型のLEDランプなど、各種高演色LED照明を扱っているメーカーの一例を掲載します。

一般家庭向きの製品 〜器具とLED光源一体型の製品がほとんど。高演色性の製品はほとんどない〜

 既存の蛍光ランプをLEDランプに付け替える方法は、一般家庭向けにはほとんど紹介されていません。
 家庭の照明1台を付け替えるようなケースを想定しているものはあまり見当たらず、見積もり受付などされているものは事務所などで一定の数の照明を一斉に付け替えるようなケースを想定していると思われるものがほとんどです。

 家電量販店などにある一般家庭向けの製品は、今までの蛍光灯のように器具と蛍光ランプが別になっているものではなく、器具とLED光源が一体になった製品がほとんどです。

 そして、器具とLED光源が一体になった製品で高演色性のものはあまり見当たりません。

具体的な製品など 〜一般家庭でも無理すれば購入出来るかもしれないもの〜

照明器具ごと購入する場合

 家電量販店で手軽に購入できる感じではありませんが、一般家庭でも無理すれば直管型LED照明を付けられるかもしれません。

 照明器具メーカーのカタログで探せば、金口が従来の直管型蛍光灯と同じG13の照明器具が見つかります。

 電器店にその照明器具の購入と取り付けを依頼します。

 別途、金口G13の直管型高演色LED照明をネットで探して、メーカーに問い合わせて、購入します。
(個人で1〜2本単位で買えるかどうかは、聞いてみないと分かりません)

 電器店に取り付けてもらった金口G13のLED用照明器具に、別途購入した金口G13の直管LED照明を取り付けます。

家にある直管蛍光灯用の照明器具を利用する場合

 電器店に、家の直管蛍光灯用の照明器具を、金口G13の直管LED照明が取り付けられるようにしたいのですが、と相談してみます。

 店によってはやってくれるところもあると思われます。
 工事自体は、電気工事の資格を持っている人なら難なくできる内容だそうです。

 別途、金口G13の直管型高演色LED照明をネットで探して、メーカーに問い合わせて、購入します。
(個人で1〜2本単位で買えるかどうかは、聞いてみないと分かりません)

 電器店の人にLED用に工事してもらった金口G13の照明器具に、別途購入した金口G13の直管LED照明を取り付けます。

具体的な製品 一般家庭でも手軽に購入できるもの

 残念ながら、高演色性色評価用LED照明で一般家庭で手軽に購入できそうなものは少ないです。

 一般的な家庭の天井についている照明取り付け用の「引掛シーリング」に取り付けられるような高演色LED照明器具はほとんどありません。

 机用の、器具とLED光源が一体になったLED照明だけは手に入りやすいです。

Z-LIGHT LEDデスクライト 高演色LED Z-80PROIIB

 机用の高演色LED照明です。

 少し前まで「Z-LIGHT Z-80PRO B」が売られていました。その後継機種が「Z-80PROIIB」だということです。
 旧モデルより照度が少し上がっているらしいです。

 メーカーの説明によれば、平均演色評価数がRa97と十分高いでけでなく、特殊演色評価でも良い結果になるよう作られており、赤の発色なども良いとのことです。

 机用の色評価用照明を購入する場合はこれがおすすめです。

主な仕様

  • 色温度 5000K
  • 演色性 Ra97
  • 従来の白熱100W相当
  • 無段階調光
  • LED一体型
  • 消費電力 12W


楽天市場 Amazon

メーカーのウェブサイト

Z-208PRO

 Z-80PRO2と似ている製品でZ-208PROというものもあります。

 メーカーのウェブサイト等を見る限りでは、特殊演色評価の結果等でZ-80PRO2と差があるものと思われます。

 その他、Z-80PRO2とは明るさや調光の方法、その他若干の違いがあるようです。
 趣味の範囲で写真を見る時にはこれでも問題ないように思います。

主な仕様

  • 色温度 5000K
  • 演色性 Ra97
  • 従来のFL30W相当
  • ロータリースイッチによる7段階調光
  • LED一体型
  • 消費電力 19W

メーカーのウェブページ

趣味の写真のレタッチなど、業務ほど本格的でなくても良い場合

 業務として色にシビアな作業をするわけではなく、家庭で写真の趣味を楽しんだりする範囲なら、家庭用のLEDシーリングライト演色性の高いものがいくつか発売されています。

具体的な商品の例 蛍光灯

蛍光灯 手軽に購入できるもの

 高演色性色評価用の照明で個人が手軽に購入できるものは、今のところまだほとんどが蛍光灯です。

 しかも、基本的に直管形蛍光灯しかありません。
 家庭用の照明は丸形の蛍光灯がほとんどなので、一般家庭で色評価用照明をつけるなら丸形が欲しいところですが、私が調べた限りでは全く販売されていません。

 一般家庭で天井の照明を色評価用にするなら、20形直管蛍光灯を使用する照明器具を入手するのが現実的です。
 ただ、蛍光灯の製造は近々終了しますので、蛍光灯用の灯具自体が市場から消えつつあり、20形直管蛍光灯用の家庭用の灯具も数えるほとの種類しかありません。またそのほとんどが売り切れになりつつあります。

LEDにできなければ、他の部分で節電の努力をする

 今後はどんどん省エネをして温暖化ガスを減らさなければ、人間は絶滅しますし他の生き物も巻き添えになって絶滅します。
 また、初めの段階では、今まで温暖化ガスをそれほど排出していない貧困国などの方が、たくさん排出してきた日本などよりもっとひどい被害を受けることが予想されています。そのため、地球温暖化には加害者と被害者がいる、と言われています。

 地球温暖化の原因は温暖化ガスだけではないという見解もあります。
 それでも温暖化ガスも原因であることに変わりはありません。温暖化ガスを減らす努力に加えて温暖化ガス以外の原因への対策も努力するということになります。

 他国の人や他の種に迷惑はかけられませんし、自分たちが滅亡するのも避ける必要があるので、温暖化ガスを減らす作業は待った無しです。
 ですので、色評価用に蛍光灯を使わざるを得ない場合、照明をLEDに切り替えて省エネを行えない分、他の部分で徹底的に省エネを行う必要があります。

 大まかな雰囲気ですが、マイカーに10分乗っただけでテレビを1時間見たときと同じくらい二酸化炭素を排出してしまうと言われています。
 そこで、マイカーを使う回数を減らして公共交通機関を使うのはとても効果的です。

 例えば札幌市なら、地下鉄とJRだけで市内のかなりの部分を移動できます。

 もちろん、個人的な努力以外に社会全体を変えていく必要もあるでしょう。
 私が聞いたところでは、ドイツではいろいろな面で再生可能エネルギーが得だということで、より儲かるビジネスに移っていった結果再生可能エネルギーの割合が順調に高くなっているようです。また、ニュージーランドは地熱の利用が盛んであるなど、再生可能エネルギーの割合がとても高いです。
 そのような感じでうまくいっている国も結構ありますので、そういった例を参考にして私たちも持続可能な社会にするべく日本の主権者として努力してまいりましょう。

直管蛍光ランプ

 色評価用の直管蛍光ランプはネット上でまだたくさん売られています。

蛍光灯の色に注意

 高演色性の蛍光灯を買うとき、色に注意して下さい。
 電球色の高演色性照明もあるため、演色AAAの蛍光灯を見つけて、いざ買おうとしたところ色が昼白色(約5000K)ではなく電球色だと気付いた、ということがよくあります。

日立 高演色形蛍光灯 演色AAA昼白色(色評価用) グロースタータ形 20W FL20S・N-EDL-NU

 20形の色評価用直管蛍光灯です。
 40形も一般的です。

三菱オスラム 20形色評価用蛍光ランプ・昼白色・紫外放射吸収タイプ FL20SNEDLNU(MI)

 20形の色評価用直管蛍光灯です。
 40形も一般的です。

パナソニック 20形直管蛍光灯・昼白色・スタータ形Panasonic リアルクス FL20SNEDL

 20形の色評価用直管蛍光灯です。
 40形も一般的です。

天井照明を色評価用にするには

 家庭の天井照明として一般的なのは丸型の照明です。

 現在のところ、LED、蛍光灯、ともに丸型の一般家庭用のシーリングライトに取り付け可能な色評価用照明で、家電販売店などで普通に買える製品がほぼありません。

 よって、現状では色評価用20形直管蛍光灯を取り付け可能な蛍光灯用照明器具を使用するしかありません。

 20形直管蛍光灯を取り付け可能な蛍光灯用照明器具で、ネット通販で買えるものは主に以下の製品です。

ラッキー ホームライト 引掛けシーリング式 6~8畳 付属蛍光灯(FL20SS・EX-D/18×4灯) 昼光色 プルスイッチ LHKE-18013

 20形直管蛍光灯4本用です。

ラッキー ホームライト 引掛けシーリング式 4.5~6畳 付属蛍光灯(FL20SS・EX-D/18×3灯) 昼光色 プルスイッチ LHKE-16013

 20形直管蛍光灯3本用です。

オーデリック シーリングライト OL001741

 20形直管蛍光灯3本用です。
 取り付けに電気工事が必要な機種です。

6500K、昼光色の照明でものを正確な色で見たい時

 印刷関連の業界などで5000Kの照明が基準として使われるので、写真を見る時に5000Kの照明を使う傾向があります。

 しかし、一般家庭の部屋の照明などは6500K前後の色温度のものも多くあります。
 6500Kの環境で写真などを確認したいケースも多いでしょう。

 6500Kの高演色性の照明は5000Kのものより少ないですが、手に入りやすそうなものとしては以下の製品があります。

Z-209PRO

 Z-208PROの色温度違いの製品です。

 主な仕様を見る限りでは、6500Kで写真などを見たい時に使うのに問題ないでしょう。

 ただし、色検査用のD65の蛍光ランプと比較すると演色性は劣るのかもしれません。

主な仕様

  • 色温度 6500K
  • 演色性 Ra97
  • 従来のFL30W相当
  • ロータリースイッチによる7段階調光
  • LED一体型
  • 消費電力 19W

 Z-208PROの色温度違いの製品なので、以下のZ-208PROのメーカーウェブページと同じページに説明が載っています。

メーカーのウェブページ

6500Kの色評価用照明 その他の製品

 このほか、6500Kの色評価用照明はいくらかの製品があります。
 当ブログの以下のページで紹介しています。

 以上、カラーマネジメントを行うにあたり、部屋の照明をどうすれば良いかをご紹介しました。

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