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IllustratorからPDF/X-1a書き出し時、リンク画像の色はどう変わるか

2018年6月20日

 Adobe® Illustrator®上のオブジェクトのプロファイルの条件により、書き出したPDF上のリンク画像の色は様々に変わります。

 ここでは、イラストレーターのCMYKドキュメントからPDF/X-1aの規格のPDFを書き出したとき、カラープロファイルがどう扱われリンク画像の色はどのように変わるかご紹介します。

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目次

前提条件

 ここでの説明では、前提条件として以下のようにしておきます。

イラストレーターのカラー設定

 イラストレーターのカラー設定は「プリプレス用-日本2」にしました。

 その結果、プロファイル関連の主な設定は以下のようになります。

作業用スペース - RGB
Adobe RGB
作業用スペース - CMYK
Japan Color 2001 Coated
カラーマネジメントポリシー - RGB
埋め込まれたプロファイルを保持
カラーマネジメントポリシー - CMYK
カラー値を保持(リンクされたプロファイルを無視)

イラストレーターのカラー設定

イラストレーターのドキュメントのプロファイル

 イラストレーターのドキュメントは、ドキュメントのプロファイルとしてJapan Color 2001 Coatedを指定して作成しておきました。

イラストレータードキュメントのプロファイル

Acrobatのカラー設定

 Acrobatの環境設定にあるカラーマネジメントの設定は「プリプレス用 - 日本2」にしておきました。

Acrobatの環境設定のカラーマネジメントの設定

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PDF/X-1aを書き出したとき、画像のプロファイルはどうなるか

1.Illustratorでドキュメントを開く

 画像データをリンクで配置した、CMYKのIllustratorドキュメントを開きます。

AdobeRGB埋込のリンク画像については何も聞かれない

 RGBの作業用スペースであるAdobeRGBと同じAdobeRGB埋込のリンク画像については、作業用スペースとプロファイルが一致しているので何も聞かれません。

 何も聞かれずに、RGBのカラーマネジメントポリシー「埋め込まれたプロファイルを保持」に従って自動的にリンク画像の埋込プロファイルが保持されてドキュメントが開かれます。

 埋込プロファイルが保持されて開かれるので、正常な色で表示されます。

イラストレーターのCMYKドキュメント上のAdobeRGBプロファイル埋込のリンク画像

sRGB埋込のリンク画像は作業用スペースとの不一致について聞かれる

 イラストレーターのRGBの作業用スペースはAdobeRGBになっています。

 開こうとしているCMYKドキュメントにsRGB埋込の画像がリンクされている場合、埋込プロファイルのsRGBが作業用スペースのAdobeRGBと一致していないため、「埋め込まれたプロファイルの不一致」の画面が表示されます。

リンク画像に関するプロファイルの不一致を知らせる画面

 イラストレーターのカラー設定で、RGBのカラーマネジメントポリシーを「埋め込まれたプロファイルを保持」に設定してあります。
 そのため、「埋め込まれたプロファイルの不一致」の画面でははじめから「作業用スペースの代わりに埋め込みプロファイルを使用する」が選択されています。

 そのままOKをクリックすれば、埋め込みプロファイルが保持されてドキュメントが開かれます。

 埋込プロファイルが保持されて開かれるので、正常な色で表示されます。

イラストレーターのCMYKドキュメント上のsRGBプロファイル埋込のリンク画像

プロファイル埋込のないRGBのリンク画像については何も聞かれない

 プロファイル埋込のないRGBのリンク画像については、何も聞かれません。

 そのままドキュメントが開かれ、RGBのリンク画像にはRGBの作業用スペースであるAdobeRGBが適用されて表示されます。

 AdobeRGBが適用された結果、AdobeRGBで作成されたプロファイル埋込なしのリンク画像は正常な色に、sRGBで作成されたプロファイル埋込なしのリンク画像は異常な色に表示されます。

イラストレーターのCMYKドキュメント上のプロファイル埋込のないRGBのリンク画像

JapanColor2001Coated埋込のリンク画像については何も聞かれない

 CMYKの作業用スペースであるJapan Color 2001 Coatedと同じJapan Color 2001 Coated埋込のリンク画像については、作業用スペースと画像の埋込プロファイルが一致しているので何も聞かれません。

 何も聞かれずに、CMYKのカラーマネジメントポリシー「カラー値を保持(リンクされたプロファイルを無視)」に従って自動的にリンク画像の埋込プロファイルが無視されてドキュメントが開かれます。

 埋込プロファイルが無視された上で、作業用スペースのJapan Color 2001 Coatedが適用された状態になるので、正常な色で表示されます。

イラストレーターのCMYKドキュメント上のJapan Color 2001 Coated埋込のリンク画像

JapanColor2001Coated以外のCMYKプロファイル埋込みのリンク画像は作業用スペースとの不一致について聞かれる

 この説明では、イラストレーターのCMYKの作業用スペースはJapan Color 2001 Coatedになっています。

 開こうとしているCMYKドキュメントにJapan Color 2001 Coated以外のプロファイルが埋め込まれた画像がリンクされている場合、埋込プロファイルが作業用スペースのJapan Color 2001 Coatedと一致していないため、「埋め込まれたプロファイルの不一致」の画面が表示されます。

 例えば、Japan Color 2001 Uncoated埋込のリンク画像があった場合、以下のようになります。

CMYKリンク画像に関する「埋め込まれたプロファイルの不一致」

 イラストレーターのカラー設定で、CMYKのカラーマネジメントポリシーを「カラー値を保持(リンクされたプロファイルを無視)」に設定してあります。
 そのため、「埋め込まれたプロファイルの不一致」の画面でははじめから「埋め込まれたプロファイルを破棄(カラーマネジメントをしない)」が選択されています。

 そのままOKをクリックすれば、埋め込みプロファイルが破棄されて、リンク画像のCMYK値が保持されてドキュメントが開かれます。

 Japan Color 2001 Uncoatedで作成された画像に対し、イラストレーターのドキュメントプロファイルであるJapan Color 2001 Coatedが指定された状態で表示されるため、異常な色で表示されます。

イラストレーターのCMYKドキュメント上のJapan Color 2001 Uncoated埋込のリンク画像

プロファイル埋込のないCMYKのリンク画像については何も聞かれない

 プロファイル埋込のないCMYKのリンク画像については、何も聞かれません。

 そのままドキュメントが開かれ、CMYKのリンク画像にはドキュメントのプロファイルであるJapan Color 2001 Coatedが指定された状態で表示されます。

 Japan Color 2001 Coatedが指定された結果、Japan Color 2001 Coatedで作成されたプロファイル埋込なしのリンク画像は正常な色になります。

イラストレーターのCMYKドキュメント上の、Japan Color 2001 Coatedで作成されたプロファイル埋込なしのリンク画像

 Japan Color 2001 Coated以外のCMYKカラースペースで作成されたプロファイル埋込なしのリンク画像は、作成されたときのカラースペースとは別のプロファイルであるJapan Color 2001 Coatedが指定されるため、異常な色に表示されます。

イラストレーターのCMYKドキュメント上の、Japan Color 2001 Uncoatedで作成されたプロファイル埋込なしのリンク画像

2.PDF/X-1aを書き出す

 PDF/X-1aを書き出します。

 ここでは、「Adobe PDFを保存」のダイアログでプリセットの「[PDF/X-1a:2001(日本)]を選びます。

PDF保存時のダイアログ

 その結果、カラープロファイルの扱いに関しては以下のようになります。

カラー変換
出力先の設定に変換(カラー値を保持)
出力先
ドキュメントCMYK - Japan Color 2001 Coated
プロファイルの埋込
プロファイルを含めない
出力インテントのプロファイル
ドキュメントCMYK - Japan Color 2001 Coated

AdobeRGB埋込のリンク画像は正常な色になる

 AdobeRGB埋込のリンク画像はイラストレーターのドキュメント上でプロファイルが保持されています。

 PDF保存時、出力先に設定されているJapan Color 2001 Coatedにプロファイル変換されます。

 プロファイル変換後、PDF保存時のダイアログの「プロファイルの埋め込み:プロファイルを含めない」という設定に従って、プロファイル埋込のない画像になります。

 この結果、PDF上では埋め込みプロファイルなしのCMYK画像になり、出力インテントのJapan Color 2001 Coatedが指定されて表示されるため、正常な色になります。

AdobeRGB埋め込みのリンク画像をPDF/X-1aで書き出した結果

sRGB埋込のリンク画像は正常な色になる

 sRGB埋込のリンク画像はイラストレーターのドキュメント上でプロファイルが保持されています。

 PDF保存時、「カラー変換:出力先の設定に変換(カラー値を保持)」という設定に従い、出力先に設定されているJapan Color 2001 Coatedにプロファイル変換されます。

 プロファイル変換後、PDF保存時のダイアログの「プロファイルの埋め込み:プロファイルを含めない」という設定に従って、プロファイル埋込のない画像になります。

 この結果、PDF上では埋め込みプロファイルなしのCMYK画像になり、出力インテントのJapan Color 2001 Coatedが指定されて表示されるため、正常な色になります。

sRGB埋め込みのリンク画像をPDF/X-1aで書き出した結果

AdobeRGBのプロファイル埋込なしのリンク画像は正常な色になる

 AdobeRGBのプロファイル埋込なしのリンク画像は、イラストレーターのドキュメント上で作業用スペースのAdobeRGBが指定されて正常な色で表示されています。

 PDF保存時、「カラー変換:出力先の設定に変換(カラー値を保持)」という設定に従い、AdobeRGBが指定された状態から出力先に設定されているJapan Color 2001 Coatedにプロファイル変換されます。

 プロファイル変換後、PDF保存時のダイアログの「プロファイルの埋め込み:プロファイルを含めない」という設定に従って、プロファイル埋込のない画像になります。

 この結果、PDF上では埋め込みプロファイルなしのCMYK画像になり、出力インテントのJapan Color 2001 Coatedが指定されて表示されるため、正常な色になります。

AdobeRGBのプロファイル埋込なしのリンク画像をPDF/X-1aで書き出した結果

sRGBのプロファイル埋込なしのリンク画像は異常な色になる

 sRGBのプロファイル埋込なしのリンク画像は、イラストレーターのドキュメント上で作業用スペースのAdobeRGBが指定されて異常な色で表示されています。

 PDF保存時、「カラー変換:出力先の設定に変換(カラー値を保持)」という設定に従い、AdobeRGBが指定された異常な色の状態から出力先に設定されているJapan Color 2001 Coatedにプロファイル変換されます。

 異常な色からプロファイル変換した結果、やはり異常な色のままです。

 プロファイル変換後、PDF保存時のダイアログの「プロファイルの埋め込み:プロファイルを含めない」という設定に従って、プロファイル埋込のない画像になります。

 この結果、PDF上では埋め込みプロファイルなしのCMYK画像になり、出力インテントのJapan Color 2001 Coatedが指定されて表示され、イラストレーターのドキュメント上と同じ異常な色になります。

sRGBのプロファイル埋込なしのリンク画像をPDF/X-1aで書き出した結果

JapanColor2001Coated埋込の画像は正常な色になる

 CMYKのリンク画像は、イラストレーターのドキュメントを開いた時点でプロファイルが破棄されています。

 Japan Color 2001 Coated埋込のリンク画像もイラストレーターのドキュメント上ですでにプロファイルが破棄されています。

 プロファイルがない状態であるため、PDF保存時の「カラー変換:出力先の設定に変換(カラー値を保持)」という設定に従い、プロファイル変換されずにCMYKのカラー値が保持されてPDF書き出しされます。

 PDF保存時のダイアログの「プロファイルの埋め込み:プロファイルを含めない」という設定に従って、プロファイル埋込のない画像になります。

 元のJapan Color 2001 Coatedの画像が、CMYKの値が保持されたままPDFになり、出力インテントのJapan Color 2001 Coatedが指定された状態になるため、正常な色で表示されます。

Japan Color 2001 Coated埋込みのリンク画像をPDF/X-1aで書き出した結果

JapanColor2001Coated以外のCMYKプロファイル埋込の画像は異常な色になる

 CMYKのリンク画像は、イラストレーターのドキュメントを開いた時点でプロファイルが破棄されています。

 例えばJapan Color 2001 Uncoated埋込のリンク画像もイラストレーターのドキュメント上ですでにプロファイルが破棄され、Japan Color 2001 Uncoatedの画像にドキュメントプロファイルのJapan Color 2001 Coatedが指定された状態になり、異常な色になっています。

 プロファイルがない状態であるため、PDF保存時の「カラー変換:出力先の設定に変換(カラー値を保持)」という設定に従い、プロファイル変換されずにCMYKのカラー値が保持されてPDF書き出しされます。

 PDF保存時のダイアログの「プロファイルの埋め込み:プロファイルを含めない」という設定に従って、プロファイル埋込のない画像になります。

 元のJapan Color 2001 Uncoatedの画像が、CMYKの値が保持されたままPDFになり、Japan Color 2001 Uncoatedとは異なる出力インテントのJapan Color 2001 Coatedが指定された状態になるため、異常な色で表示されます。

Japan Color 2001 Uncoated埋込みのリンク画像をPDF/X-1aで書き出した結果

JapanColor2001Coatedのプロファイル埋込なしの画像は正常な色になる

 埋込プロファイルがないCMYKリンク画像は、PDF保存時の「カラー変換:出力先の設定に変換(カラー値を保持)」という設定に従い、プロファイル変換されずにCMYKのカラー値が保持されてPDF書き出しされます。

 PDF保存時のダイアログの「プロファイルの埋め込み:プロファイルを含めない」という設定に従って、プロファイル埋込のない画像になります。

 元のJapan Color 2001 Coatedの画像が、CMYKの値が保持されたままPDFになり、出力インテントのJapan Color 2001 Coatedが指定された状態になるため、正常な色で表示されます。

Japan Color 2001 Coatedのプロファイル埋込みなしのリンク画像をPDF/X-1aで書き出した結果

JapanColor2001Coated以外のCMYKプロファイル埋込なしの画像は異常な色になる

 例としてJapan Color 2001 Uncoatedのプロファイル埋込なしのリンク画像を考えてみます。

 プロファイル埋込なしのリンク画像はプロファイルがない状態であるため、PDF保存時の「カラー変換:出力先の設定に変換(カラー値を保持)」という設定に従い、プロファイル変換されずにCMYKのカラー値が保持されてPDF書き出しされます。

 PDF保存時のダイアログの「プロファイルの埋め込み:プロファイルを含めない」という設定に従って、プロファイル埋込のない画像になります。

 元のJapan Color 2001 Uncoatedの画像が、CMYKの値が保持されたままPDFになり、Japan Color 2001 Uncoatedとは異なる出力インテントのJapan Color 2001 Coatedが指定された状態になるため、異常な色で表示されます。

Japan Color 2001 Uncoated埋込みなしのリンク画像をPDF/X-1aで書き出した結果

カラーマネージメント技術は人のためにある

注意点 前提が異なれば結果も異なる

 上記の結果は、あくまでこのページの説明の前提条件におけるPDF書き出し結果です。

 イラストレーターのカラー設定、イラストレータードキュメントのプロファイル、イラストレーターの「埋め込まれたプロファイルの不一致」のダイアログでの処理方法の選択、などが変われば、PDF/X-1aの書き出し結果も変わります。

 以上、イラストレーターのCMYKドキュメントからPDF/X-1aの規格のPDFを書き出したとき、PDF上のオブジェクトのプロファイルはどのようになるかご紹介しました。

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