カラーマネジメント対応ソフトの操作 Illustratorに関する記事

「ドキュメントに埋め込まれているカラープロファイルは、現在のCMYK作業用スペースと異なります。現在のCMYKカラーマネジメントポリシーでは、作業用スペースと異なるプロファイルは破棄されます。」の表示への対応方法(Illustrator)

2021年5月14日

illustrator_cmyk_keikoku04

 Adobe® Illustrator®でドキュメントを開いた時、「ドキュメントに埋め込まれているカラープロファイルは、現在のCMYK作業用スペースと異なります。現在のCMYKカラーマネジメントポリシーでは、作業用スペースと異なるプロファイルは破棄されます。」という表示が出る場合があります。

 このような表示が出た時の対処方法の一例をみてみます。

ビジネスや創作活動を今後も続けていくための おすすめ
再生可能エネルギーを中心とした電力を供給する電力会社を選ぶときに便利なサイト。

 

「ドキュメントに埋め込まれているカラープロファイルは、現在のCMYK作業用スペースと異なります……」の表示が出る理由

Illustratorのカラー設定が関係する

 「ドキュメントに埋め込まれているカラープロファイルは、現在のCMYK作業用スペースと異なります。現在のCMYKカラーマネジメントポリシーでは、作業用スペースと異なるプロファイルは破棄されます。」という警告が出る時と出ない時があります。
 この表示が出るかどうかは、イラストレーターのカラー設定の設定内容と関係しています。

 そのため、同じドキュメントを開いても、カラー設定の設定内容次第で警告が出たり出なかったりします。

カラー設定を「プリプレス用-日本2」にしたときを考えてみる

 印刷用のデータを作るため、Illustratorのカラー設定を「プリプレス用-日本2」のプリセットに設定しているケースは多いでしょう。

 そこで、一旦Illustratorのカラー設定を「プリプレス用-日本2」に設定してみます。

 「プリプレス用-日本2」に設定すると、主な設定項目は以下のようになります。

  • 作業用スペース - RGB: Adobe RGB(1998)
  • 作業用スペース - CMYK: Japan Color 2001 Coated
  • カラーマネジメントポリシー - RGB: 埋め込まれたプロファイルを保持
  • カラーマネジメントポリシー - CMYK: カラー値を保持(リンクされたプロファイルを無視)
  • プロファイルの不一致: すべてチェックが入る
  • 埋め込みプロファイルなし: すべてチェックが入る


作業用スペースのカラープロファイルと異なるプロファイルを埋め込んだデータをリンク配置している場合に、警告が出る

 カラー設定で、作業用スペースはCMYKがJapanColor2001Coated、RGBがAdobeRGBになっています。

 しかし、画像などをリンクで配置する時、JapanColor2001Coated以外のプロファイルのCMYK画像も、AdobeRGB以外のプロファイルのRGB画像も配置できます。

 例えば、JapanColor2001Uncoated埋め込みのCMYK画像と、sRGB埋め込みのRGB画像を配置したトキュメントを作り、保存します。

 このドキュメントを開くと、CMYK、RGBそれぞれのリンク画像について以下のような「埋め込まれたプロファイルの不一致」の警告が表示されます。

 「ドキュメントには、現在のCMYK作業用スペースと異なるカラープロファイルが埋め込まれています。」

CMYKのリンク画像に関する「埋め込まれたプロファイルの不一致」の警告

CMYKのリンク画像に関する「埋め込まれたプロファイルの不一致」の警告

 「ドキュメントには、現在のRGB作業用スペースと異なるカラープロファイルが埋め込まれています。」

RGBのリンク画像に関する「埋め込まれたプロファイルの不一致」の警告

RGBのリンク画像に関する「埋め込まれたプロファイルの不一致」の警告

 Illustratorの「カラー設定」で「プロファイルの不一致 - 開くときに確認」にチェックを入れてあるため、このような「埋め込まれたプロファイルの不一致」の警告が表示され、処理方法を選択できるようになっています。
 処理方法の選択肢はそのままで「OK」をクリックすると、「カラー設定」の「カラーマネジメントポリシー」で設定してある通りの処理が行われます。

「カラー設定」の「プロファイルの不一致 - 開くときに確認」の設定を変えてみる

 次に、「カラー設定」の「プロファイルの不一致 - 開くときに確認」のチェックを外してみます。

「カラー設定」の「プロファイルの不一致 - 開くときに確認」チェックを外してみる

「カラー設定」の「プロファイルの不一致 - 開くときに確認」チェックを外してみる

ドキュメントを開くと「ドキュメントに埋め込まれているカラープロファイルは、現在のCMYK作業用スペースと異なります。現在のCMYKカラーマネジメントポリシーでは、作業用スペースと異なるプロファイルは破棄されます。」が表示される

 「カラー設定」の「プロファイルの不一致 - 開くときに確認」の設定を変えた状態で、先ほどのドキュメントをもう一度開いてみます。

 すると、「ドキュメントに埋め込まれているカラープロファイルは、現在のCMYK作業用スペースと異なります。現在のCMYKカラーマネジメントポリシーでは、作業用スペースと異なるプロファイルは破棄されます。」という警告が表示されます。

CMYKのプロファイルに関する警告

CMYKのプロファイルに関する警告

 「カラー設定」でCMYKの作業用スペースJapanColor2001Coatedに設定しているのに、開こうとしているドキュメントにはJapanColor2001Uncoated埋め込みの画像がリンクされていて、なおかつ「カラー設定」のカラーマネジメントポリシーで「CMYK:カラー値を保持(リンクされたプロファイルを無視)」に設定してあるためリンク画像のプロファイルは無視されることになるので、Illustratorが教えてくれているわけです。

 「カラー設定」で「プロファイルの不一致 - 開くときに確認」のチェックを外しているので、上記の警告画面ではプロファイルの扱いについての処理方法の選択はできませんが、プロファイルが破棄されることに気づかずに困る人もいるだろうということで、Illustratorが念のため教えてくれています。

 なお、RGBのリンク画像については、「カラー設定」の「カラーマネジメントポリシー」で「埋め込まれたプロファイルを保持」に設定してあり、プロファイルが保持されて色も保たれたまま開かれるので、それほど困る人はいないだろうということで、「プロファイルの不一致 - 開くときに確認」のチェックを外してあることにより何も警告は表示されずに自動的にプロファイルが保持されて開かれます。

警告「ドキュメントに埋め込まれているカラープロファイルは、現在のCMYK作業用スペースと異なります。現在のCMYKカラーマネジメントポリシーでは、作業用スペースと異なるプロファイルは破棄されます。」への対処方法

リンク画像はすべて予定している印刷条件に適したCMYK画像として作ってある場合

 Illustratorでデータを作るとき、配置する画像は用途に合わせて別途作成済みの場合も多いでしょう。

 例えば印刷の現場なら、画像データを作成する部署はカラーマネジメントに詳しいものの、デザインレイアウト等を行う部署はカラーマネジメントにそれほど詳しくなく、画像データ作成担当の部署から送られてきた画像データをレイアウトデータ作成担当の人が受け取って配置する、というようなケースは多いでしょう。

 すでに印刷条件に適したCMYK画像として誰かが完成させた画像データを配置しているなら、埋め込みプロファイルを気にする必要はないでしょう。

 そこで、「ドキュメントに埋め込まれているカラープロファイルは、現在のCMYK作業用スペースと異なります。現在のCMYKカラーマネジメントポリシーでは、作業用スペースと異なるプロファイルは破棄されます。」という表示が出ても、プロファイルを破棄して問題ないので「OK」をクリックして作業を続けて問題ない場合が多いでしょう。

自分が想定していた状況と異なる場合は、一旦戻る

 自分の予定では、CMYK画像はすべてプロファイル埋め込みなしにしているはずだったり、プロファイルは埋め込んでいるがIllustratorの作業用ペースのCMYKカラープロファイルと一致しているはずであるなど、CMYKプロファイルに関する警告は出ない想定で作業をしていたとします。

 または、「カラー設定」で「プリプレス用 - 日本2」に設定してあり、「埋め込まれたプロファイルの不一致」は表示されることを想定していたとしても、今回のような「ドキュメントに埋め込まれているカラープロファイルは、現在のCMYK作業用スペースと異なります。現在のCMYKカラーマネジメントポリシーでは、作業用スペースと異なるプロファイルは破棄されます。」という警告は出ることを想定していなかったり、このような警告は初めて見たとします。

 自分が想定しているものとは違う表示が出たということは、前の作業で何か手違いをしているのかもしれません。
 本来使用するデータとは別のCMYK画像を配置していたり、知らないうちに誰かがカラー設定を変えた可能性もあるでしょう。

 色の扱いが一度どこかでおかしくなり、後々色がおかしいと気づくと、原因を探したり作業をやり直したりで社内でひと騒動になります。

 そこで、もしこの警告が想定外のもので、何かおかしいと感じたら、一旦作業を止めて前の段階で何か手違いをしていないか確認するのも良いでしょう。

 以上、「ドキュメントに埋め込まれているカラープロファイルは、現在のCMYK作業用スペースと異なります。現在のCMYKカラーマネジメントポリシーでは、作業用スペースと異なるプロファイルは破棄されます。」という警告が表示される理由や対処方法をみてみました。


 

参考記事

blank
イラレのファイルを開く時の「埋め込まれたプロファイルの不一致」の意味

 Adobe® Illustrator®でファイルを開く時、プロファイルの不一致に関する画面が表示されることがあります。  プロファイルの指定はカラー設定、ドキュメント自体のプロファイ ...

blank
Illustratorドキュメントのリンク画像の色 プロファイルとの関係

 Adobe® Illustrator®のCMYKドキュメントは、リンク画像としてRGB画像もCMYK画像も配置できます。  ドキュメント自体のカラープロファイルも指定できます。  ド ...

blank
IllustratorからPDF/X-1a書き出し時、リンク画像の色はどう変わるか

 Adobe® Illustrator®上のオブジェクトのプロファイルの条件により、書き出したPDF上のリンク画像の色は様々に変わります。  ここでは、イラストレーターのCMYKドキュ ...

カラーマネジメントの本

当事務所について

blank

平間フォトレタッチ事務所

写真や種々のデータの色の問題など、芸術センスでは解決できない画像の色補正、フォトレタッチ、その他当ブログで扱っているような分野のご相談をお寄せいただけますと幸いです。

最近の業務の例

  • 商品の色測定、商品写真の色調補正
  • 建築物の写真の明るさ・色補正、歪み補正、人物・電線・電柱・車等の不要物消去、空合成など
  • 建築物の写真の外壁等を指定色に変更する処理
  • 曇天時に撮影した建築物の写真を晴天時の写真に変更する処理
  • 素材用写真の明るさ調整・レタッチ
  • アイドル・タレント等の写真のレタッチ・切り抜き
  • ファッション誌の写真のレタッチ
  • 結婚写真の明るさ・色補正、レタッチ
  • ウェブ用・印刷物用のプロフィール写真のレタッチ
  • フィルムスキャン後のデータの色調補正等
  • 写真・グラフィックのプリンター出力業務
      など

関連するコンテンツ

-カラーマネジメント対応ソフトの操作, Illustratorに関する記事
-, , ,

© 2021 カラーマネジメント実践ブログ 〜フォトレタッチの現場から〜