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モニターとプリンターの色を合わせる時 メーカー純正紙が便利な理由

      2018/11/19

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 パソコン画面の表示とプリンター出力の色を合わせる場合、メーカー純正紙を使った方が楽というイメージがあるのではないでしょうか。あるいは、メーカー純正紙を使うとうまくいった経験がある方も多いのではないでしょうか。

 ここでは、なぜパソコン画面とプリンターをカラーマッチングするとき、プリンターメーカー純正紙を使うのと便利なのかをご説明します。




目次

結論 メーカー純正紙を使えばプリンタープロファイルを自作せずに済むから便利

 結論を先に述べると、プリンターメーカー純正紙を使えばプリンタープロファイルを自作せずに済むので便利です。

 どういうことか、以下で説明します。

カラーマネジメントによるカラーマッチングにはカラープロファイルが必要

 一般的なカラーマネジメントでは、カラープロファイルを利用してカラーマッチングを行います。

 よって、パソコン画面とプリンター出力のカラーマッチングを一般的なカラーマネジメントの方法で行うには、パソコン画面用とプリンター用のカラープロファイルが必要になります。

プリンター用カラープロファイルはどよのうなものか

 プリンター用カラープロファイルは単純にいうと、プリンターで写真などを出力したときどのような色で出力されるか、を書いたものです。

 同じ写真をプリンターで出力しても、インクがにじむ紙に出力したとき、黄色っぽい紙に出力したとき、ピカピカの光沢紙に出力したとき、など、紙によって出力結果の色が変わります。

プリンター用カラープロファイルは、【プリンターの種類 + 用紙の種類】に対して1個必要

 よって、一つのプリンターのためにカラープロファイルを作る場合でも、出力したい紙の種類の数だけカラープロファイルが必要になります。

E社インクジェットプリンター + A社の写真用紙
専用カラープロファイル1個必要
E社インクジェットプリンター + B社の写真用紙
専用カラープロファイル1個必要
H社インクジェットプリンター + B社の写真用紙
専用カラープロファイル1個必要

プリンターメーカーがプリンター用プロファイルを用意してくれている

 各プリンターメーカーは、パソコン画面とプリンターのカラーマッチングができるように、自社プリンターのカラープロファイルを用意してくれています。

世の中の紙すべてに対応したプリンター用プロファイルは用意してくれていない

 ただし、世の中の紙の種類は無数にあるので、プリンターメーカーでは世の中の紙それぞれに対応したカラープロファイルを用意まではしてくれていません。

プリンターメーカーは自社の純正紙用のカラープロファイルを用意してくれている

 プリンターメーカーは、とりあえず自社のプリンターと自社の純正紙用の組み合わせに対応するプリンター用カラープロファイルを用意してくれています。

プリンターメーカー純正紙は、プリンターメーカーが対応するカラープロファイルを用意してくれているからカラーマッチングが楽

 プリンターメーカー純正紙は、そのメーカーのプリンターとの組み合わせに対応するプリンター用カラープロファイルをプリンターメーカーが初めから用意してくれているため、そのカラープロファイルを使えば済むので楽です。

プリンターメーカー純正紙以外を使うときのカラーマッチングの方法

 プリンターメーカー純正紙しか使えないとなると、選択の幅が狭すぎるので、それ以外の用紙も使いたいと思われるでしょう。

 その場合どうすれば良いかをご紹介します。

方法1 用紙メーカーが用意したプリンター用カラープロファイルを使用する

 用紙メーカーが、自社の用紙とメジャーなプリンターの機種の組み合わせに対応するプリンタープロファイルを用意している場合があります。

プリンタープロファイルを用意している用紙ブランドの例

方法2 プリンター用カラープロファイルを自分で作る

 カラーマネジメントモニターやディスプレイキャリブレーションツールをお使いの方もいるのではないでしょうか。
 ディスプレイの場合、カラーマネジメントモニターを使用してキャリブレーションしたり、ディスプレイキャリブレーションツールを利用したりすることで、ディスプレイ用カラープロファイルが作成されます。

 それと同じで、プリンター用カラープロファイルもツールがあれば作成できます。

 ツールの例としては以下のようなものがあります。

その他の販売店 Amazon

その他の販売店 amazon

Datacolor SpyderPRINT プリントキャリブレーションツール S4SR100

関連 EIZO®「Quick Color Match」はプリンターメーカー純正紙を使用する必要がある

 プリンターメーカー純正紙の使用すると楽という説明をしてきました。
 関連して、EIZO®「Quick Color Match」はどういうものか述べます。

 EIZO®「Quick Color Match」を使用したプリンター出力の中身は、上記で説明したプリンターメーカーの純正紙とプリンターメーカーが用意したプリンター用カラープロファイルを使用したプリンター出力です。

 その際、アプリケーションソフトのカラー設定やプリンター出力の設定、プリンタードライバーの設定などをソフトが自動でしてくれるというものだそうです。

 プリンターメーカー純正紙を使用するとこういうソフトも使えるので、やはり楽です。

参考ウェブページ

プリンターメーカーが用意したプリンタープロファイルを使用する場合の難点

 プリンターメーカー純正紙を使い、プリンターメーカーが用意したプリンタープロファイルを利用して出力するのは楽ですが、難点もあります。

 年月の経過によるプリンター出力結果の変化には対応できないということです。

 カラーマネジメントディスプレイを使う場合や、ディスプレイキャリブレーションツールでディスプレイのキャリブレーションをする場合、定期的に自分でキャリブレーションをします。
 これにより、時間の経過によるディスプレイ表示結果の変化に対応して、常に正確な表示が実現できます。

 プリンタープロファイルも同じで、自分で定期的に作成して時間の経過によるプリンター出力結果の変化に対応することで、常に正確な出力が実現できます。

 なぜディスプレイは自分でキャリブレーションしてディスプレイプロファイルを定期的に作り直すのに、プリンターは自分で定期的にプロファイルを作り直さないのかというと、おそらくプリンタープロファイルは作るハードルが高くて大変だからです。
 そこで、プリンターメーカー純正紙とメーカーが用意したプリンタープロファイルを使用し、時間の経過によるプリンター出力結果の変化は誤差として許容しているということでしょう。

印刷業界など、時間の経過によるプリンター出力結果の変化を無視できない業界もある

 印刷業界など、寸分たがわず正確なプリンター出力結果を実現する必要がある業界では、時間の経過によるプリンター出力結果の変化も無視できず、そのままだと支障があります。

 そこで、プリンターメーカー純正紙を使用する場合でも、プリンタープロファイルを自前で定期的に作り直して正確な出力を維持します。

 以上、なぜパソコン画面とプリンターをカラーマッチングするとき、プリンターメーカー純正紙を使うのと便利なのかをご説明しました。

当ブログ参考記事

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