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モニターとプリンターの色が合う理屈の簡単な説明 〜カラーマネジメント入門 第2回〜

      2017/06/22

colormanagement

 カラーマネジメントは機械どうしで色の情報を伝え合うためにあります。
 パソコンとモニターとプリンターで色を正確に伝え合えると、モニターとプリンターの色が合います。
 この色を伝え合う理屈を説明するととても分かりにくいです。

 ここでは色を「長さ」に例えて分かりやすく説明してみます。




パソコン・モニター・プリンターの間で「長さ」の情報を伝える場合

「長さ」のマネージメントができていない場合

 「長さ」のマネージメントができていない状態のパソコンなどで「長さ」を扱うと以下のような事態になります。

 アプリケーションソフトが「箸くらいの長さ」の棒という情報を持っているとします。

「箸くらいの長さ」の棒

 その情報をアプリケーションソフトからディスプレイに伝えます。

「箸くらいの長さ」の棒を表示せよ

同じ情報をアプリケーションからプリンターに伝えます。

「箸くらいの長さ」の棒を印刷せよ

 一応「箸くらいの長さ」でディスプレイ表示、プリンター出力がされるかもしれません。
 しかし、「箸くらいの長さ」は20センチくらいと思う人や機械、25センチくらいと思う人や機械もあります。

 よって、アプリケーションソフトの「長さ」情報、ディスプレイ表示の「長さ」、プリンター出力の「長さ」はぴったり同じ長さにはなりません。

「長さ」のマネージメントができている場合

 「長さ」のマネージメントができているパソコンなどで「長さ」を扱うとどうなるか、ご説明します。

 アプリケーションソフトが「箸くらいの長さ」の棒(ただし、箸くらいの長さは23cm)という情報をもっているとします。

「箸くらいの長さ」の棒(ただし、箸くらいの長さは23cm)

 その情報をアプリケーションソフトからディスプレイに伝えます。

「箸くらいの長さ」の棒(ただし、箸くらいの長さは23cm)を表示せよ

 同じ情報をアプリケーションソフトからプリンターに伝えます。

「箸くらいの長さ」の棒(ただし、箸くらいの長さは23cm)を印刷せよ

 「箸くらいの長さ」(ただし、箸くらいの長さは23cm)という誰が見ても同じ長さに認識できる情報なので、ディスプレイもプリンターも正確に23cmで表示・出力できます。

もう一つしておかなければならないこと ディスプレイ、プリンターの調整

 上記の手順で同じ長さ23cmの棒を正確に表示・出力するにはもう一つしておかなければならないことがあります。
 ディスプレイとプリンターの調整です。

ディスプレイの調整

 「1cmの棒」とう情報を表示させても、正確に1cmで表示されないかもしれません。
 そこで、実際に1cmで表示されるように調整します。
 料理計りは放っておけば針が0kgの点からずれてくるので、使うときたまに針が0kgの位置になるよう調整するのと同じことです。

プリンターの調整

 「1cmの棒」とう情報を印刷しても、正確に1cmで印刷されないかもしれません。
 そこで、実際に1cmで印刷されるように調整します。
 料理計りは放っておけば針が0kgの点からずれてくるので、使うときたまに針が0kgの位置になるよう調整するのと同じことです。

パソコン・モニター・プリンターの間で「カラー」の情報を伝える場合

「カラー」のマネージメントができていない場合

 「カラー」のマネージメントができていない状態のパソコンなどで「カラー」を扱うと以下のような事態になります。

 アプリケーションソフトが「RGB(250,30,20)の色」という情報を持っているとします。

「RGB(250,30,20)の色」

 その情報をアプリケーションソフトからディスプレイに伝えます。

「RGB(250,30,20)の色」を表示せよ

 同じ情報をアプリケーションからプリンターに伝えます。

「RGB(250,30,20)の色」を印刷せよ

 一応「RGB(250,30,20)の色」でディスプレイ表示、プリンター出力がされるかもしれません。
 しかし、「RGB(250,30,20)の色」がかなり鮮やかに表示・出力されるディスプレイやプリンターもあれば、地味な色で表示・出力されるディスプレイやプリンターもあります。

 それは、電気店の店頭に並んでいるテレビやディスプレイに同じ映像が映っていても、色がまちまちなことからも分かります。

 よって、アプリケーションソフトの「カラー」情報、ディスプレイ表示の「カラー」、プリンター出力の「カラー」はぴったり同じ色にはなりません。

「カラー」のマネージメントができている場合

 「カラー」のマネージメントができているパソコンなどで「カラー」を扱うとどうなるか、ご説明します。

 アプリケーションソフトが「RGB(250,30,20)の色(ただし、RGB(250,30,20)の色はL*a*b*(54,77,64))」という情報を持っているとします。

「RGB(250,30,20)の色(ただし、RGB(250,30,20)の色はL*a*b*(54,77,64))」

 その情報をアプリケーションソフトからディスプレイに伝えます。

「RGB(250,30,20)の色(ただし、RGB(250,30,20)の色はL*a*b*(54,77,64))」を表示せよ

 同じ情報をアプリケーションソフトからプリンターに伝えます。

「RGB(250,30,20)の色(ただし、RGB(250,30,20)の色はL*a*b*(54,77,64))」を印刷せよ

 「RGB(250,30,20)の色(ただし、RGB(250,30,20)の色はL*a*b*(54,77,64))」という誰が見ても同じカラーに認識できる情報なので、ディスプレイもプリンターも正確にL*a*b*(54,77,64)で表示・出力できます。

カラープロファイルが「ただし、RGB(250,30,20)の色はL*a*b*(54,77,64)」という情報を持っている

 上記の説明における(ただし、RGB(250,30,20)の色はL*a*b*(54,77,64))という情報を受け持っているのが、よく耳にする「カラープロファイル」です。

もう一つしておかなければならないこと ディスプレイ、プリンターの調整

 上記の手順で同じカラーL*a*b*(54,77,64)で正確に表示・出力するにはもう一つしておかなければならないことがあります。
 ディスプレイとプリンターの調整です。

ディスプレイの調整

 例えばL*a*b*(50,0,0)という情報を表示させても、正確にL*a*b*(50,0,0)で表示されないかもしれません。
 そこで、実際にL*a*b*(50,0,0)で表示されるように調整します。

 この作業がディスプレイのキャリブレーションです。

 料理計りは放っておけば針が0kgの点からずれてくるので、使うときたまに針が0kgの位置になるよう調整するのと同じことです。

プリンターの調整

 例えばL*a*b*(50,0,0)という情報を印刷しても、正確にL*a*b*(50,0,0)で印刷されないかもしれません。
 そこで、実際にL*a*b*(50,0,0)で印刷されるように調整します。

 具体的にはプリンター用のカラープロファイルを作成します。

 料理計りは放っておけば針が0kgの点からずれてくるので、使うときたまに針が0kgの位置になるよう調整するのと同じことです。

カラーマネジメントとは、決めた色を次の機器に渡す仕組み

 上記の例えで分かるように、カラーマネジメントとはまず色を決め、決めた色を次の機器に伝える仕組みです。

RGBやCMYKはあいまいな表現

 RGBやCMYKの数値は、明確に何色と決められてはいません。

 例えばRGB(255,0,0)やCMYK(0,100,100,0)という色は、くすんだ赤か派手な赤か決まっていません。なんとなくRed(赤)と決まっているだけです。どういう赤に表現するかは表現する人や機器の自由です。

色をあいまいでなく明確に決める

 色の表現があいまいでは作業上不便なので、数値的に確定できる表現で確定します。

 Adobe® Photoshop®などのカラーマネジメント対応のアプリケーションソフトを利用すると、自分の思い通りに色を決めることができます。

決めた色を次の機器に伝える

 数値的に決めた色を、次の機器に伝えます。例えば、パソコンからプリンターに伝えます。そうするとプリンターからは数値的に決めた色の通りに出力されます。

 あるいはパソコンからディスプレイに色を伝えます。すると数値的に決めた色の通りに表示されます。

 あらゆる機器に数値的に決めた色で伝えれば、すべての機器で数値的に決めた同じ色で表示がなされるため、すべての機器で色が同じになります。

 以上、モニターとプリンターの色が合う理屈を簡単にご説明しました。

当ブログ参考記事

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