カラーマネジメント実践ブログ 〜フォトレタッチの現場から〜

カラーマネジメント、フォトレタッチ、画像関連の知識、Photoshopやカラーマネジメントツールの具体的な操作やテクニックなどを紹介するブログです。

モニターとプリンターの色を合わせるために、最低限何が必要なのか

      2018/11/19

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 いいプリンターを買ったがパソコン画面が違い過ぎる。
 カラーマネジメント対応のAdobe®のソフトを使用しているがモニターとプリンター出力の色が違い過ぎる。
 カラーマネジメントディスプレイを購入したがプリンター出力と色が全然合わない。
 そういったことでお悩みの方が多いようです。

 ここでは、パソコンのモニター画面とプリンター出力の色を合わせるために、最低限必要なツール等についてご紹介します。




社会的責任を果たしているメーカーの製品を購入する

 電子機器の製造で使用される原料には、深刻な国際問題が関係しています。

 当然ながら、機器を使用する私たちユーザーもそれら国際問題の当事者の一人です。

 そのため、カラーマネジメント関連機器を買う場合は社会的責任を果たしているメーカーの製品を選びましょう。

武装勢力や児童労働と関わりのある原料を使っていないかどうか

 報道によれば、電子機器の製造に必要な鉱物は武装勢力の資金源になっている鉱山で生産されたものもあるということです。

参考ウェブページ

 また、原料の採掘作業において児童労働が行なわれていることも明らかになっています。

参考ウェブページ

 私たちとしては、そういった鉱山で生産された鉱物を使用していない製品を選ぶ必要があります。

 電子機器を購入する場合、紛争や児童労働などに関わりのない鉱物を使用しているかどうかなど、製造メーカーがきちんと管理された道筋で原料を調達しているかどうかを確認すると良いでしょう。

 信頼できる製造会社であれば、ウェブサイト等で原料調達に関する取り組みについて記載があり、会社によっては報告書などが公開されています。
 社会的責任に関する情報を探しても見つからない会社もあります。

参考ウェブページ

製品の廃棄まで丁寧に説明しているかどうか

 電子製品はいずれ壊れます。

 良心的な製造メーカーの場合、ウェブサイトで製品の回収などについて分かりやすく丁寧に説明しています。
 例えばPCリサイクルの仕組みで回収される対象の製品であれば、回収申し込みもウェブサイトから行えるようになっていたりします。

 そのように、機器類の廃棄に至るまで自社製品に責任を持とうとしている良心的なメーカーの製品を選びましょう。

その他 メーカー企業のCSRに関するウェブページを確認する

 環境、人権、その他色々な分野において、メーカー企業が社会的責任を果たしながら生産活動をしているかどうか、ウェブサイトのCSRに関するページを確認しましょう。

 社会的責任を真面目に果たそうとしている企業の製品を選んで、応援しましょう。

前段階の確認 プリンターで印刷する時の設定に間違いがないかどうか

 実は、キャリブレーション作業やカラープロファイル作成を行うということ以外に、それ以前の原因でディスプレイとプリンターの色が合わないケースが多くあります。
 それは、アプリケーションソフトからの印刷時のプリント設定プリンタードライバーの設定の間違いです。

 例えば、アプリケーションソフトからのプリント設定画面で、プリンタープロファイルの指定が間違っている、といった例が意外に多いです。

 以下の記事をご参照の上、設定の間違いがないかということも確認してみてください。
 設定が正しければ、プリンターメーカー純正紙を使用する場合はプリンター付属のプリンタープロファイルを使用してある程度のカラーマッチングが実現すると思います。

当ブログ参考記事

モニター画面とプリンター出力のカラーマッチングに最低限必要なもの

 モニター画面とプリンター出力のカラーマッチングに最低限必要なものは、以下の4つです。

  1. カラーマネジメントに対応したアプリケーションソフト
  2. ある程度の性能のディスプレイ
  3. ディスプレイ用キャリブレーションソフトと、測色器
  4. プリンター用カラープロファイル作成ツール

※プリンターは普通のプリンターで問題ありません。

カラーマッチングのための、具体的なおすすめの製品

 モニター画面とプリンター出力のカラーマッチングに最低限必要なツール類について、具体的なおすすめ製品をご紹介します。

1.カラーマネジメントに対応したアプリケーションソフト

Adobe® Photoshop® Elements

 sRGBAdobeRGBしか扱わない場合、簡易的な写真編集だけできれば良い場合は「Adobe® Photoshop® Elements」がおすすめです。

Adobe® Photoshop®

 sRGBAdobeRGB以外のRGBカラースペースも扱ったり、またCMYKデータも扱うなど、色々なカラースペースを扱い、複雑な写真編集もする場合はAdobe Photoshopなどが必要です。

Adobe® Photoshop® Lightroom®

 RAWデータやJPGから写真のレタッチと印刷を行う作業は、Lightroomだけでもできます。
 Photoshopほど複雑なフォトレタッチはできませんが、Photoshopのように月額払いや年額払いでなく、通常のソフトのように購入できるのが良い点です。

2.ある程度の性能のディスプレイ

 あまりに低性能なディスプレイだと、モニターキャリブレーションツールを使用したソフトウェアキャリブレーションを行ってもまともな表示にならない場合があります。
 そのため、キャリブレーションする場合は、古くて表示が変色してきているなど見ただけできれいな表示ができていないと判断できるようなディスプレイではなく、ほぼ問題なくきれいな表示ができているディスプレイが必要です。
 また、輝度コントラストなど最低限の調整ができるディスプレイが望ましいです。

3.ディスプレイ用キャリブレーションソフトと、測色器

 ディスプレイ用キャリブレーションソフト測色器がセットになった「モニターキャリブレーションツール」が販売されています。
 有名なものには以下のものがあります。

X-rite® ColorMunki Smile KHG0100-SM(カラーモンキースマイル)

その他の販売店 amazon

当ブログ参考記事

X-rite® ColorMunki Display(カラーモンキー ディスプレイ)KHG0100-DY

その他の販売店 amazon

当ブログ参考記事

i1Display Pro(アイ・ワン・ディスプレイ プロ)KHG1035

その他の販売店 amazon

当ブログ参考記事

カラーマネジメント対応ディスプレイを使う場合

 2.ある程度の性能のディスプレイ、3.ディスプレイ用キャリブレーションソフトと測色器、の機能を全て含む道具としてカラーマネジメント対応ディスプレイがあります。

 測色器内蔵のカラーマネジメント対応ディスプレイには、ディスプレイ・キャリブレーションソフト・測色器がセットになった製品が販売されています。

 ただし最近は、測色器外付け式の製品の場合は測色器はオプションで別売りになっている場合が多いです。

 ディスプレイ、キャリブレーションソフトがセットで、オプションの外付け測色器があるカラーマネジメント対応ディスプレイでは、CS230-CNがおすすめです。

その他の販売店 amazon

その他の販売店 EIZOダイレクト

当ブログ参考記事

4.プリンター用カラープロファイル作成ツール

 「プリンター用カラープロファイル作成ツール」は多くは業務用の高価なものです。
 個人で買える価格の製品は限られてきます。
 価格が安い以下の製品がおすすめです。

X-rite® i1Studio

その他の販売店 amazon

 以上の4つのツールがそろえば、パソコン画面とプリンター出力の色を合わせることができます。
 どれか一つでも欠けると、数値的にカラーマッチングすることはできません。

補足 プリンター用カラープロファイル作成

 プリンタープロファイルを自作する、または作成を依頼する、というのは結構大変です。
 そこで、多くの場合は新規に作らずにプリンターに付属しているプリンタープロファイルを使用して、プリンターメーカー純正紙に印刷する、という方法がとられます。

 この方法のメリットは手間がかからず、難易度が低いことです。

 デメリットは、プリンターメーカー純正紙しか使えないことと、プリンターの個体差や印刷結果の経時変化などに対応できず、カラーマッチングの精度が落ちることです。

当ブログ参考記事

パソコンのディスプレイの廃棄方法について 〜資源有効利用促進法に基づいて〜

 モニターとプリンター出力の色を合わせる対策を色々とっていくとき、場合によってはディスプレイを買い替えるような場合も出てくるでしょう。
 そのため、今までのディスプレイ廃棄のことも考える必要があります。
 液晶ディスプレイを廃棄する場合、国内の信頼できるルートで再資源化などの処理がされるようにしなければなりません。

 引き取りを依頼する先を間違えると、国際法に違反して海外へ輸出され、適切に再資源化もされないまま現地で甚大な環境汚染健康被害を引き起こすということになる恐れがあります。
 そのような事態はすでに進行し、事態はかなり深刻で、もう待ったなしの状況です。

 そういう事態に私たちも知らないうちに加担しているとすれば、一方の人々を酷い目に合わせながら写真やグラフィックを美しく仕上げたとしても何の意味があるだろう、ということになってしまいます。

当ブログ参考記事

 以上、パソコンのモニター画面とプリンター出力の色を合わせるために、最低限必要なツール等についてご紹介しました。

当ブログ参考記事

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