カラーマネジメントの理屈 カラーマネジメント関連機器

モニターキャリブレーションの理屈とカラーマネジメントモニターの選び方

投稿日:2015年8月12日 更新日:

 デジカメ写真のレタッチ作業や、印刷用レイアウトデータの作成など、色を正確に扱う作用をするためにはキャリブレーションされたモニターが必要です。
 普通の液晶ディスプレイでもキャリブレーションツールでキャリブレーションできますが、高い精度でキャリブレーションするにはキャリブレーションモニターが必要です。

 ここでは、モニターキャリブレーションの理屈と、フォトレタッチ用途のカラーマネジメント対応ディスプレイはどういうものを選べば良いかをご紹介します。

当ブログ参考記事

目次

はじめに 壊れるまで大切に使い、正しく廃棄してこそ仕事や創作活動をした甲斐がある

電子機器を大切に使わなければ、他人にも迷惑がかかり、私たちの経済活動も止まる

 電子機器を購入すると、製造や運搬などで温暖化ガスの排出をはじめとして環境負荷がかかります。
 電子機器を廃棄すると、廃棄処理や運搬などで温暖化ガスの排出をはじめとして環境負荷がかかります。。

 こういった環境負荷が持続可能な程度を超えると、私たちの経済活動は止まって滅亡することになり、他の生き物たちも巻き添えで絶滅していきます。

私たちの仕事や創作活動について考える参考の動画

私たちが使うものは、製造した土地で炭素を排出している

 中国をはじめとしたアジア諸国など、製造業の盛んな地域では大量の炭素が排出されています。
 そういった地域で製造された製品は日本をはじめとした世界中の国々で使用されます。

 実際に、私が仕事で使っているEPSONのプリンターはインドネシア製、ワコムのペンタブレットは中国製です。

 よって、私たちの消費したものから出る炭素は、私たちが住む町ではなく製造国で排出されています

参考ウェブページ

 また、当然ながら、機器を廃棄したときにも輸送や廃棄処理で環境負荷がかかります。

 このような事情があるので、私たちは自分が使用している機器が製造・廃棄されるときにどれだけ環境負荷があるのかを意識する必要があるでしょう

必要なものを買い、長く大切に使う

 使うエネルギーを再生可能エネルギーに転換したり、使ったものをリサイクルするに越したことはありません。
 しかし、専門家からは、それだけでは間に合わないという主張もなされています。

 「世界大都市気候先導グループ(C40)」のマーク・ワッツ氏は次のように述べています。

 「再生可能エネルギーや大量輸送の利用を増やすだけでは、状況を変えることはできません」
 「消費を減らす必要があるのです」

 また、エドモントン市長のドン・アイブソン氏は次のように述べています。

「不要なものを買わず、地産地消し、廃棄物を削減することが、消費に関する排出量を削減するのに役立ちます」
「排出量の削減に貢献したものを買うべきです。他の地域に排出量を押し付けるだけではいけません」

 パソコンや液晶モニター等の機器を使うとき、よく検討して必要なものを買い、長く大切に使いましょう。
 たとえ再生可能エネルギーへの転換、リサイクルの推進をしたとしても、短期間で機器の買い替えを繰り返せば地球環境への負荷は高くなり、最終的には私たちの暮らしが立ち行かなくなってしまいます

社会的責任を果たしているメーカーの製品を選ぶ

 電子機器の製造で使用される原料には、深刻な国際問題が関係しています。

 当然ながら、機器を使用する私たちユーザーもそれら国際問題の当事者の一人です。

 そのため、カラーマネジメントモニターを買う場合は社会的責任を果たしているメーカーの製品を選びましょう。

武装勢力や児童労働と関わりのある原料を使っていないかどうか

 報道によれば、電子機器の製造に必要な鉱物は武装勢力の資金源になっている鉱山で生産されたものもあるということです。

参考になる資料映像

 また、原料の採掘作業において児童労働が行なわれていることも明らかになっています。

参考ウェブページ

 私たちとしては、そういった鉱山で生産された鉱物を使用していない製品を選ぶ必要があります。

 電子機器を購入する場合、紛争や児童労働などに関わりのない鉱物を使用しているかどうかなど、製造メーカーがきちんと管理された道筋で原料を調達しているかどうかを確認すると良いでしょう。

 信頼できる製造会社であれば、ウェブサイト等で原料調達に関する取り組みについて記載があり、会社によっては報告書などが公開されています。
 紛争鉱物でないことを確認して調達できているのか、それとも確認はとれていないのか、報告内容を定期的に確認しておきましょう。

製品の廃棄まで丁寧に説明しているかどうか

 電子製品はいずれ壊れます。

 良心的な製造メーカーの場合、ウェブサイトなどでPCリサイクルの仕組みによる製品の回収などについて分かりやすく丁寧に説明しています。
 回収申し込みもウェブサイトから行えるようになっていたりします。

 そのように、機器類の廃棄に至るまで自社製品に責任を持とうとしている良心的なメーカーの製品を選びましょう。

予備知識 ディスプレイのカラーマネジメントの仕組みの説明

理屈の説明1.何がディスプレイ表示の色をコントロールしているか

 まず、何がディスプレイ表示の色をコントロールしているかを説明します。

色を何もコントロールせずに単純に表示させたらどうなるか

 パソコンから出てきた色の信号を、何もせずにディスプレイに直接送ってみます。
 すると、ディスプレイは一つ一つ特性が違うので、ディスプレイによってまちまちな色で表示されます。
 コントラスト強めで鮮やかに表示するディスプレイもあれば、くすんだ色で表示されるディスプレイもあるでしょう。

色の信号をそのまま流せば、デバイスによって色に違いが出る

色の信号をそのまま流せば、デバイスによって色に違いが出る

オーディオ機器に例えると

 似ている例として、オーディオ機器に例えてみます。
 ヘッドホンはヘッドホンによって特性が違うので、音の信号を単純に送ればヘッドホンごとに違う音が鳴ります。

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音の信号をそのまま流せばデバイスによって音に違いが出る

色の情報を補正・変換してからディスプレイに送ってみる

 色の情報をそのままディスプレイに送るとディスプレイごとにまちまちな色の表示になってしまいます。

 そこで、パソコンから送る色の信号を、表示するディスプレイ専用に作った「カラープロファイル」というもので変換してから送ってみます。

 ディスプレイから正しい色が出るように変換した色の信号をディスプレイに送った結果、正しい色で表示することができます。

色の信号をカラープロファイルで変換してからディスプレイに送る。

色の信号をカラープロファイルで変換してからディスプレイに送る。

ディスプレイ表示をコントロールしているのはディスプレイ用のカラープロファイル

 このように、ディスプレイを正確な色で表示させているのはそのディスプレイ専用に作った「カラープロファイル」です。

 ディスプレイカラーマネジメントを行う場合、ディスプレイ用のカラープロファイルを作成する必要があります。

理屈の説明2.ディスプレイを正しく表示させる鍵「カラープロファイル」の作り方

 ディスプレイのカラーマネジメントのためにはディスプレイ用のカラープロファイルを作成する必要があることがわかりました。
 ここから、ディスプレイ用のカラープロファイルの作成の仕組みを説明します。

手順1.測色作業

 まず、下図のような仕組みで測色作業を行います。

 測色作業は、パソコン測色器カラープロファイル作成ソフトで行います。

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測色作業の概念図

 測色作業の理屈は、以下のような流れになります。

  1. まずパソコンからディスプレイにRGBの信号を送ります。
  2. ディスプレイで、送られてきたRGBの信号の内容を表示させておきます。
  3. パソコンにつないだ測色器でディスプレイから発せられている色が何色か計ります(単位はL*a*b*など)
  4. 測色器で測った色の数値がパソコンに送られてきます。

 この作業の結果、パソコンから送ったRGBの信号の数値と、それが実際にディスプレイで表示されたときの色のL*a*b*値の対応が一組判明します。

手順2.カラープロファイル作成

 この、パソコンから送ったRGBの信号の数値とそれが実際にディスプレイで表示されたときの色のL*a*b*値の関係をたくさんの色の信号について調べます。
 その結果、パソコンから送る色の信号の数値と実際にディスプレイで表示される色の数値の関係の対応表ができます。
 単純に言うとこの対応表がカラープロファイルです。

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測色の結果から分かる入力するRGB値と出力のLab値の関係

 そして、このカラープロファイルが作れれば、例えばL*a*b*(30,40,20)の色のデータをL*a*b*(30,40,20)の色で表示できる状態になる、すなわちキャリブレーションされた状態になります。キャリブレーションをとる作業とは上記のディスプレイ用カラープロファイルを作る作業のことです。

キャリブレーション

 細かく言うと、デバイスへの入力と、出力される色の対応を調べる作業はキャラクタライゼーション(Characterization)といい、デバイスのカラープロファイルを作るためにはキャラクタライゼーションをする必要があります。
 キャリブレーション(Calibration)は環境が変化してもデバイスを標準的な状態に保つための作業のことです。
 ややこしいので、デバイスの色をL*a*b*などの絶対的な色空間で表せるようにする作業、という感じの意味でキャリブレーションという言葉を使っても通用します。会社などではそういうおおまかな意味で使っていることが多いと思います。

キャリブレーションを他のもので例えてみると

 L*a*b*(30,40,20)の色のデータをL*a*b*(30,40,20)の色で表示するということは、料理はかりに例えれば100gの物を載せたときに正確に100gと表示される状態、ということです。

理屈の説明3.実際の作業は「白色点の色・輝度・ガンマ」の調整「カラープロファイル」作成

 ここまで、理解しやすいようにディスプレイのカラープロファイルでディスプレイ表示をコントロールしていると説明してきました。

 ところが実際は、カラープロファイルによる補正だけでディスプレイをキャリブレーションするのは限界があります。

 ディスプレイはたいてい、輝度やコントラストを少し調整できるようになっています。
 そこで、ディスプレイをカラープロファイルで補正する前に、まずディスプレイ自体の調整機能を使って輝度や白色点の色などをキャリブレーション目標にできるだけ近付けておきます。

 その上で、ディスプレイ自体の調整機能だけでは近付けきれない部分をディスプレのカラープロファイルを作成し補正することで、高い精度でキャリブレーションができます。

ディスプレイの白色点の色・輝度・ガンマの調整

 実際のキャリブレーション作業は、まず白色点の色の調整、輝度の調整、ガンマの調整をします。

 次に、色々な色を表示して表示される色の特性を調べ、ディスプレイ用のカラープロファイルを作成します。

 ディスプレイの白色点の色・輝度・ガンマの調整には、ソフトウェア・キャリブレーションハードウェア・キャリブレーションの二通りの方法があります。

ソフトウェア・キャリブレーション

 カラーマネジメント対応ディスプレイではない普通のディスプレイは、ディスプレイ本体の内部を調整して表示特性をその都度微調整するようなことはできません。
 そこで、パソコンから送られる映像の信号自体に処理を加えて白色点の色・輝度・ガンマの調整を行う必要があります。

 このような方法がソフトウェア・キャリブレーションというものです。

 普通のディスプレイで「カラーモンキースマイル」や「i1 Display Pro」などのモニターキャリブレーションツールを使用してキャリブレーションした場合、ソフトウェア・キャリブレーションが行われます。

 映像の信号自体に処理を加えた結果、加える前より情報量が減るので、少し映像は劣化します。

ハードウェア・キャリブレーション

 カラーマネジメント対応ディスプレイは、ディスプレイ本体の内部を調整して表示特性をその都度微調整できるようになっています。
 そのため、パソコンから送られてくる映像の信号には手を加えず、ディスプレイ本体の内部で白色点の色・輝度・ガンマの調整を行います

 このような方法がハードウェア・キャリブレーションというものです。

 ハードウェアで直接調整するので精度の高い調整ができ、映像の信号自体には手を加えないため、情報量を減らすことがなく、映像も劣化しません。

 カラーマネジメント対応ディスプレイと普通のディスプレイの最も大きな違いはハードウェア・キャリブレーションができるかできないかという点です。

普通のディスプレイでキャリブレーションをしてみた場合

品質の低いディスプレイの場合はきちんとキャリブレーションできない

 試しに測色器「i1Pro2」、カラープロファイル作成ソフト「i1Profiler」と安い液晶ディスプレイを使って、ディスプレイ用のカラープロファイルを作ってみました。
 ところが、全然正確な表示ができませんでした。
 色も変ですし、コントラストもまともになりませんでした。

カラーマネジメントモニターでなくても性能の高いディスプレイならある程度キャリブレーションできる

 iMacのディスプレイを、「i1Pro2」と「i1Profiler」を使ってキャリブレーションしてみたところ、ほぼ正確な表示になりました。iMacのディスプレイくらいある程度高い精度でコントロールできるディスプレイであれば、キャリブレーションツールを使用したソフトウェア・キャリブレーションでもまあまあキャリブレーションがまともにとれます。

ディスプレイ用「カラープロファイル」作成

 白色点の色、輝度、ガンマの調整ができたら、色々な色を表示した時にどういう表示がされるかを調べ、カラープロファイルを作成します。
 これは上記の概念の説明どおりです。

理屈の説明4.「データの色」とは

 ここまでディスプレイのカラーマネジメントの仕組みのおおまかな説明を行いました。

 もう一つ知っておかなければ頭が混乱するものとして、「データの色」とは何かという問題があります。

 画像データの色をRGBCMYKの数値のみで認識している場合、ディスプレイのキャリブレーションをとっても意味が半減します。

データは決まった色を持てる

決まった色を持っていないデータ

 RGBCMYKの数値だけで表されたデータの場合、RGB値・CMYK値をどういう色で表すかはデバイスの自由なので、色は決まっていません。

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カラープロファイルが指定されていないRGB値とはどういうものか

カラープロファイルが指定されていないRGB画像とはどういうものか

カラープロファイルが指定されていないRGB画像とはどういうものか

決まった色を持っているデータ

 ところが、【RGB値】+【RGBカラープロファイル】【CMYK値】+【CMYKカラープロファイル】、という具合に、RGB値・CMYK値などとカラープロファイルが組み合わされると、色は確定します。

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カラープロファイルが指定されているRGB値とはどういうものか

カラープロファイルが指定されているRGB画像とはどういうものか

カラープロファイルが指定されているRGB画像とはどういうものか

 RGB値をどういう色で表すかがカラープロファイルで指示されているので、そのデータの持つ色は絶対的に決まっています。

 もしカラープロファイルが埋め込まれた画像データを複数のデバイスで表示したときに表示がまちまちになったとしたら、表示しているデバイスの中にキャリブレーションがとられていないものが混ざっているということです。

 料理はかりに小麦粉を100g載せているのに100gと表示されない表示のずれた料理はかりが混ざっているようなものです。

ディスプレイが正確な表示をするには

 まずパソコン、測色器、カラープロファイル作成ソフト、ディスプレイ、を使ってカラープロファイルを作ります。
 その結果、パソコン、カラープロファイル、ディスプレイ、によってディスプレイは正確な表示ができます。

ディスプレイが正確な表示をするという意味について

 正確な表示というのは、表示したいデータの色を、ディスプレイデータの色で表示するということです。

 例えば、L*a*b*値(30,40,20)という色を表しているデータを表示したとき、ディスプレイからL*a*b*値(30,40,20)の色の光が出る、ということです。

 正確にキャリブレーションされていない一般的なパソコンディスプレイの場合、表示したいデータの色を、データの色とは違う色で表示しています。

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キャリブレーションがとられているということの意味

カラーマネジメントは「データの色」を次のデバイスに渡していく仕組み

 カラーマネジメントは、このようにして確定させたデータの色を変えないように、プリンターやディスプレイなどのデバイスからデバイス色の情報を渡していく、というものです。

 データの色など出力してみないと分からない、という話は15年以上前までの話です。データの色が出力してみないと分からないものであればカラーマネジメントは成り立ちません。

カラーマネジメントディスプレイの具体的な選び方

 ここから、具体的にどのようにカラーマネジメントディスプレイを選べばよいかを述べます。

カラーマネジメント対応ディスプレイの条件

条件1.キャリブレーション用ソフトが付属している

 キャリブレーションに必要なソフトウェアが付属している必要があります。
 通常、ハードウェア・キャリブレーションを行うためにメーカーが用意している専用ソフトウェアがあります。(例えばEIZO®ならColorNavigatorなど)

(※以前使っていたディスプレイ付属のソフトがあるから必要ない、という場合は必要ありません。)

ハードウェア・キャリブレーションを行うためには、ディスプレイ専用のキャリブレーションソフトを使う

 ハードウェア・キャリブレーションでは、ディスプレイの内部を調整しなければなりません。

 カラーマネジメントディスプレイには、ディスプレイの内部を調整できる専用キャリブレーションソフトが用意されています。
 専用キャリブレーションソフトを使ってキャリブレーションを行うことで、ディスプレイ内部を調整してハードウェア・キャリブレーションができます。

 もしカラーマネジメントディスプレイ付属の専用キャリブレーションソフトを使わず、別のキャリブレーションソフトでキャリブレーションをした場合、ソフトウェア・キャリブレーションが行われてしまいます。
 よって、専用キャリブレーションソフトを使わないとカラーマネジメントディスプレイを使う意味があまりなくなってしまいます。

条件2.測色器が付属している、またはオプションで用意されている

 キャリブレーション作業に必要な測色器が付属または内蔵されている製品があります。

 最近は外付け測色器が付属している製品があまりなくなり、オプションとして別売りになっている場合が多いようです。

 測色器内蔵であれば、それを使うだけなので簡単です。
 オプションで用意されている場合も、オプション品を購入して使えば良いので簡単です。

測色器を別途用意する場合

 測色器は別途用意する、という場合は内蔵測色器やオプションの外付け測色器は必要ありません。

 カラーマネジメントモニターで使用出来る測色器は、内蔵測色器やオプションで用意されている外付け測色器に限りません。
 多くの場合、それ以外の色々な測色器も使用可能です。
 別途用意する場合、ディスプレイ専用のキャリブレーションソフトの仕様等で、対応している測色器を確認する必要があります。

参考 EIZO® ColorNavigator6のページ

 対応する測色器、キャリブレーションセンサーが記載されています。

条件3.色域

 ディスプレイが表示できる色の範囲です。
 現在売られているカラーマネジメント対応ディスプレイの主なものでは、sRGBをカバーしているもの、AdobeRGBをカバーしているものの2種類あります。
 

条件4.液晶ディスプレイ共通の諸条件

応答特性

 応答速度はフォトレタッチ作業など静止画を扱う作業をするなら気にする必要はほとんどありません。
 動画を扱うなら数字が小さい方が良いです。

ゲーム用ディスプレイについて

 応答速度については、速さを追求したゲーム用ディスプレイの方が速いです。
 ゲーム用ディスプレイは応答速度が速い代わりに液晶パネルがTNパネルで、視野角が狭いなど速さ以外ではカラーマネジメント対応ディスプレイよりスペックが低いです。

表示モード

 画面表示をsRGBにするモードがあった方が便利です。

 プリント用の写真を扱う場合はあまり必要ありませんが、ウェブ用の画像を扱う場合に便利です。
 世間ではsRGBに近い特性でウェブサイトを表示させることが多いので、その見え方を自分でも簡易的に確認できた方が便利だからです。

画素密度

 一般的なフォトレタッチ作業をする用途なら気にしなくて大丈夫です。

表示色

 キャリブレーションモニターはモニターの内部で信号を調整するため計算し、その結果を画面に表示します。
 そのため、高品質な表示をするためには実際の表示色より多い色の情報を使って計算をする必要があります。

 信頼できるメーカーから発売されているカラーマネジメントディスプレイなら、スペック表に単なる色数だけでなく、パソコンから入力される信号を画面に表示するまでの処理に関わるスペックとして例えば「約1677万色:8bit対応(約278兆色中/16bit-LUT)」「約1677万色(約4兆3475億色中)」などの表示があります。

 信頼できるメーカーからカラーマネジメントディスプレイとして売られているディスプレイは表示の品質にはこだわって作られているので、数値をそれほど気にしなくても大丈夫です。

画面のサイズ

 お好み次第です。

 ただ、仕事でカラーマネジメントモニターを使っている私の経験では、画面が大きいほど目が疲れます。
 浴びる光が多いからかもしれません。

消費電力

 電気をたくさん使うほど二酸化炭素を出してしまうので、できるだけ消費電力は低いものの方が良いです。

 できるだけ消費電力の小さい製品を作ろうと努力をしている企業を応援しましょう。

PCリサイクル 資源有効利用促進法

 購入したディスプレイ廃棄するとき、資源有効利用促進法に基づいてメーカーに回収を依頼します。

 きちんとしたメーカーであれば、メーカーのウェブサイトからディスプレイ回収の申し込みができます。

 しかし、回収する気が感じられないメーカーの場合、説明も不親切で電話受付しかしていないところもあります。

 ディスプレイの回収に関する案内をウェブ上で丁寧に行って、きちんとリサイクルしようと頑張っている企業を応援しましょう。

条件5 スマホ等のデバイスや3D-LUTファイルのエミュレーションができるかどうか

 カラーマネジメント対応ディスプレイには、スマホタブレット等のデバイスの表示をパソコンの画面でエミュレートしたり、3D-LUTファイルを読み込んで映画フィルムの特性をエミュレートできる機能をもつものがあります。

 EIZO®の例では、キャリブレーションソフト「ColorNavigator6」にこのエミュレーションの機能があります。
 ところがこの機能は、ディスプレイ本体のモデルによって使えるものと使えないものがあり、CSシリーズなど下位のモデルでは使えないようになっています。

どう選ぶか

どう選ぶか 付属の測色器・キャリブレーション用ソフトについて

 条件1キャリブレーション用ソフトについては、たいていは必要です。

 以前同じメーカーのディスプレイを使っていて、ディスプレイ付属のキャリブレーション用ソフトを持っている、という場合は必要ないかもしれません。

 条件2測色器については、お手持ちのツールによります。

 測色器を持っていなければ測色器付属、または測色器内臓のモデルを買います。
 または、ディスプレイとは別に測色器を買います。

 カラーマネジメントディスプレイの機種によっては、外付け測色器とセットの商品がないものもあります。
 その場合は、対応している測色器を別途購入します。

 「i1Display pro」などのディスプレイ用カラーマネジメントツールをお持ちで、その測色器がディスプレイ専用のキャリブレーション用ソフトに対応しているなら使えます。
 対応しているかどうかはメーカーのウェブサイトに書いてあります。

参考 EIZO® ColorNavigator6のページ

 ColorNavigator6に対応する測色器、キャリブレーションセンサーが記載されています。

カラーマネジメントモニターでソフトウェアキャリブレーションをしてしまわないよう注意

 「i1 Display Pro」などのキャリブレーションツール付属のキャリブレーションソフトでキャリブレーションをすると、通常はソフトウェア・キャリブレーションを行うことになるので、せっかくハードウェア・キャリブレーションができるカラーマネジメント対応ディスプレイを買った意味がありません。
 ハードウェア・キャリブレーションをするにはディスプレイのメーカーが用意している専用キャリブレーションソフトを使用します。

どう選ぶか 色域について

 私の経験上、AdobeRGBをカバーしていなくても大丈夫です。

 カラーマネジメントの仕組みを利用したワークフローでAdobeRGBのデータを扱う作業をするときに使用するディスプレイは、必ずしもAdobeRGBの色域をカバーしている必要はありません。
 ディスプレイの色域外にある色はディスプレイで表示できませんが、作業上困らないように「色域圧縮」などの処理がされるように作られているからです。

色域より、正確にキャリブレーションできることが大事

 必要な条件は「正確にキャリブレーションがとれること」です。カラーマネジメント対応ディスプレイ、として売られていないディスプレイは表示が派手でキレイでもキャリブレーションが正確にとれるとは限りません。
 おなじみのメーカー各社が「カラーマネジメント対応ディスプレイ」として売り出しているのであれば一応キャリブレーションはとれるので、色域の広さはそれほど気にせず、どのディスプレイを選んでも問題ありません。

色域が足りなければ色域圧縮がなされるので大丈夫

 ディスプレイやプリンターなどが表現できる色域の広さや範囲はまちまちで、人が目で認識できる色域よりずっと狭いため、色の情報を渡そうとすると必ず渡す相手のデバイスでは表示できない色がいくらか出てきます。

 カラーマネジメントの仕組みは、渡す相手のデバイスで表現できない色が出てくる前提で作られています。

 渡す先の相手のデバイスで表現できない色は表現しきれる範囲に収まるよう「色域圧縮(gamut mapping)」という処理がなされます。
 この処理は、見た目にはできるだけ色が同じに見える結果になるように行われます。

写真などの品質に大事なのは、ディスプレイの色域よりデータ自体の色域

 重要なのは、写真のレタッチ作業など、出力前の土台になるデータを作るときに、そのデータがAdobeRGBなど広い色域のデータであるということです。
 なぜなら、この土台のデータから次のデバイスへ渡していくときに色域を変換することになり、変換にともなって色域は狭まるので、変換前のデータの色域は大きい方が次のデバイスへの色域の変換後もある程度大きい色域が保てる可能性があるからです。

 以上のように、どちらかというと重要なのは扱っているデータの色域であり、データの色を表示させて確認するディスプレイの色域はsRGBくらい表現できれば、私の経験上は問題ありません。

当ブログ参考記事

最近はほとんどの機種がAdobeRGBをカバーしている

 とは言え、最近のカラーマネジメントディスプレイはほとんどの機種がAdobeRGBをカバーしていて、AdobeRGBをカバーしていない機種の方が少ないです。

AdobeRGBをカバーしている方がよい例

 「私はディスプレイの表示もAdobeRGBの色域になっていた方が作業しやすい」という方はAdobeRGBをカバーしたカラーマネジメントディスプレイを使うと良いでしょう

 インクジェットプリンターなどで出力するために高彩度のイラストを作成する、というような場合なら、AdobeRGBの色域をカバーしているディスプレイの方が印刷結果により近い状態をモニターで確認できて作業しやすい、という場合もあるかもしれません。
 作業する方のお好み次第です。

どう選ぶか 液晶ディスプレイ共通の諸スペック

 お好みで判断します。

どう選ぶか スマホ等のデバイスや3D-LUTファイルのエミュレーションができるかどうか

 スマホタブレット等の携帯端末のウェブブラウザでの表示をパソコンのウェブブラウザでも再現する必要がある場合は、これらデバイスのエミュレーションに対応していた方が便利かもしれません。

 なお、EIZO® ColorNavigator6でスマホやタブレットの表示を測定するには、ディスプレイ付属の測色器ではなく、ColorNavigatorのモバイル機器の測定機能に対応している測色器が必要です。

 対応の測色器はメーカーのウェブサイトなどでご確認ください。

ICCプロファイルによるスマホ表示の再現は可能

 EIZO®のディスプレイの場合、エミュレーションができないモデルのディスプレイであってもスマホ等のICCプロファイルは作成できます。
 よって、Adobe® Photoshop®の使用に詳しい人であればICCプロファイルを使用してPhotoshop上でスマホ等の表示状態を再現することはできます。

当ブログ参考記事

無線LANを使う場合は子どもや若者のいない場所で作業しましょう

 携帯電話とマイクロ波を照射する機器の使用は、人体への危険性が指摘されています。
 特に子どもや若者は受ける影響がより大きいことが指摘されています。

 欧州評議会議員会議では2011年に、学校の敷地内での携帯電話の使用の規制や有線インターネット接続を優先することなどを含む決議が採択されています。

 フランスでは、保育園などにおける無線機器の使用禁止、小学校においてデジタル教育以外では無線LANの使用不可などを定める法律が制定されているとのことです。

 そういった諸外国の動きから考えても、無線LANを使用せざるをえない作業は子どもの生活エリア以外で行う必要があるでしょう。

参考の本

当ブログ参考記事

おすすめのカラーマネジメント対応ディスプレイ

 頭が混乱しないために、ディスプレイ・測色器・キャリブレーション用ソフトが全てセットになっているものを買ったほうがよいと思います。そうすれば、仕組みの理解が曖昧でも説明書通りに操作すればきちんとキャリブレーションがとれます。

おすすめのカラーマネジメント対応ディスプレイ 色域sRGB

 以上の説明から、sRGBの色域をカバーしている以下の製品、ColorEdge® CS230をおすすめします。

 このモデルは、スマホ等のデバイスの表示をエミュレートするような機能はソフトが対応していません。

EIZO® CS230 〜色域sRGBの製品〜

EIZOダイレクト ColorEdge CS230-CN (ColorNavigator付属)
楽天市場 CS230-CN
Amazon CS230-CN

 CS230-CNは外付け測色器はセットになっていないため、ColorNavigator対応の測色器がない場合は以下の外付けカラーセンサーも必要です。

EIZOダイレクト 外付けキャリブレーションセンサー EX3
楽天市場 EIZO EX3
Amazon EIZO EX3

おすすめのカラーマネジメント対応ディスプレイ 色域AdobeRGB

 諸事情で、どうしてもAdobeRGBの色域をカバーしているディスプレイが必要な場合は、以下の商品がおすすめです。

EIZO® CS2420 〜色域AdobeRGBの製品〜

 外付け測色器がセットになっていないため、別にキャリブレーションセンサーを用意する必要があります。

EIZOダイレクト ColorEdge CS2420(Quick Color Match付属)
楽天市場 楽天市場
Amazon EIZO ColorEdge CS2420-BK

EIZOダイレクト 外付けキャリブレーションセンサー EX3
楽天市場 EIZO EX3
Amazon EIZO EX3

参考 スマホ等の表示のエミュレーションができるカラーマネジメント対応ディスプレイの例

 普通のフォトレタッチだけでなく、スマホやタブレットなど携帯端末の表示をエミュレートしたい場合は以下のような製品があります。

EIZOダイレクト ColorEdge CG247X (キャリブレーションセンサー内蔵)
楽天市場 楽天市場
Amazon EIZO ColorEdge CG247X-BK

カラーマネジメント対応ディスプレイの廃棄方法

 カラーマネジメント対応ディスプレイが壊れて使えなくなったときは、資源有効利用促進法に基づいて適正に処分をしましょう。

当ブログ参考記事

 以上、ディスプレイのキャリブレーションの仕組みの概略と、カラーマネジメント対応ディスプレイはどういうものを選べば良いかをご紹介しました。

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当ブログ参考記事

当事務所の色補正・フォトレタッチサービス

 芸術センスでは解決できない写真の色補正、フォトレタッチ、画像関連のご相談等をお寄せいただけますと幸いです。

カラーマネジメントの本

平間フォトレタッチ事務所

写真や種々のデータの色の問題など、芸術センスでは解決できない画像の色補正、フォトレタッチ、その他当ブログで扱っているような分野のご相談をお寄せいただけますと幸いです。

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