カラーマネジメント実践ブログ 〜フォトレタッチの現場から〜

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初心者の方へ ディスプレイのキャリブレーションの方法

      2018/11/19

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 カラーマネジメントについての説明、パソコン画面とプリンター出力のカラーマッチングの説明などには、必ずディスプレイキャリブレーションの話が出てきます。

 ディスプレイのキャリブレーションの方法にはいくつかあるので、分かりにくいとお思いの方も多いのではないでしょうか。

 ここでは、パソコンのディスプレイのキャリブレーションの方法をご紹介します。




方法1 カラーマネジメント対応ディスプレイを購入する

カラーマネジメント対応ディスプレイの利点

利点1 比較的簡単

 カラーマネジメント対応ディスプレイを使用するのが一番簡単です。

 ディスプレイ測色器カラープロファイル作成ソフトなどが一式セットになった製品を購入すると、ディスプレイの説明書通りに操作すれば比較的簡単にキャリブレーションが行えます。

利点2 ハードウェアキャリブレーションができ、画質が高い

 カラーマネジメント対応ディスプレイは、ディスプレイ本体の内部を調整して表示特性をその都度微調整できるようになっています。そのため、パソコンから送られてくる映像の信号には手を加えず、ディスプレイ本体の内部で白色点の色・輝度・ガンマの調整を行います。
 このような方法がハードウェア・キャリブレーションというものです。
 ハードウェアで直接調整するので精度の高い調整ができ、映像の信号自体には手を加えないため、情報量を減らすことがなく、映像も劣化しません。

 カラーマネジメント対応ディスプレイと普通のディスプレイの最も大きな違いはハードウェア・キャリブレーションができるかできないかの違いです。

カラーマネジメント対応ディスプレイの例

 カラーマネジメント対応ディスプレイのメーカーとしては、EIZO®が有名です。

 現在、価格が低めで機能は十分なおすすめの商品としは、以下のような機種があります。

その他の販売店 EIZOダイレクト

その他の販売店 amazon

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補足説明 カラーマネジメント対応ディスプレイの色域

 CS230はsRGBの色域をカバーしており、AdobeRGBの色域まではカバーしていませんが、問題ありませんので心配しなくて大丈夫です。

 よく、「デジタルカメラをAdobeRGBに設定して撮影した場合、ディスプレイはAdobeRGBに対応している必要がある」という説明をみかけますが、そのようなことはありません。

 カラーマネジメント技術には、色域の広さが異なるデバイス間で色を渡すときでも出来る限り支障がないようにするために色域圧縮(ガモットマッピング)という仕組みがあります。

 その仕組みのおかげで、AdobeRGBで撮影された写真のデータをsRGBの色域までしか表示できないディスプレイでも正しく表示できます。

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問題は、写真のデータを開くソフトがAdobeRGBに対応しているかどうか

 問題は、写真のデータを開くソフトがAdobeRGBに対応しているかどうかです。

 ディスプレイがカバーしている色域がsRGBかAdobeRGBかに関わらず、AdobeRGBで撮影した写真のデータをAdobeRGBというカラースペースを解釈できないソフトで開けば正しい表示はできません。

 たとえば、カラーマネジメントに対応しておらず、すべての画像データをsRGBとして扱うようなソフトを使用してAdobeRGBで撮影した写真のデータを開いた場合、ディスプレイがAdobeRGBの色域をカバーしていても表示はAdobeRGBのデータに無理やりsRGBが指定された変色しくすんだ表示になってしまいます。

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方法2 ディスプレイのキャリブレーション用のツールを購入し、キャリブレーションを行う

 カラーマネジメント対応ディスプレイではない普通のディスプレイでも、ディスプレイキャリブレーションをするためのツールを購入すればソフトウェアキャリブレーションが行えます。

ソフトウェアキャリブレーションとは

 カラーマネジメント対応ディスプレイではない普通のディスプレイは、ディスプレイ本体の内部を調整して表示特性をその都度微調整するようなことはできないので、パソコンから送られる映像の信号自体に処理を加えて白色点の色・輝度・ガンマの調整を行う必要があります。

 このような方法がソフトウェア・キャリブレーションというものです。

 普通のディスプレイで「カラーモンキースマイル」や「i1 Display Pro」などのディスプレイキャリブレーションツールを使用してキャリブレーションした場合、ソフトウェア・キャリブレーションが行われます。

 映像の信号自体に処理を加えた結果、加える前より情報量が減るので、少し映像は劣化します。

ディスプレイキャリブレーションツールを使用するメリット

メリット

 ディスプレイキャリブレーションツールを使用すれば、今使っているディスプレイでキャリブレーションできるので、安く済みます。

 また今あるディスプレイを引き続き大事に使えるので環境負荷も低く済みます。

デメリット

 カラーマネジメントディスプレイを使うより、少し難しいです。

 また、キャリブレーションを行うにはディスプレイが輝度やコントラストを細かく調整できるものでなければなりません。

 そのため、ジャンクコーナーで売られているディスプレイなど、壊れかけて性能の低すぎるディスプレイをお持ちの場合、キャリブレーションツールの使用だけではディスプレイのキャリブレーションができない場合もあります。

ディスプレイ用キャリブレーションツールの例

 ディスプレイ用キャリブレーションツールの主なものとして、以下のような機種があります。

X-Rite®社の製品

ColorMunki Smile(カラーモンキー・スマイル)

その他の販売店 amazon

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ColorMunki Display(カラーモンキー・ディスプレイ)

その他の販売店 amazon

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i1Display Pro(アイワン・ディスプレイプロ)

その他の販売店 amazon

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Color Munki、i1 Display Proの機能比較

 「Color Munki Smile」「Color Munki Display」「i1 Display Pro」はどれがどう違うのかよくわからないのではないでしょうか。

 すべて、普通の液晶ディスプレイの基本的なキャリブレーションは可能です。

 それ以外に、プロジェクターのキャリブレーションができる・できない、色温度やガンマなどの目標設定の選択肢の数・範囲、センサーのスピードが違う、など細かい違いがあります。

 以下の表に違いをまとめてみました。

 Colormunki SmileColormunki Displayi1 Display ProColormunki Photo
測色器三刺激値直読三刺激値直読三刺激値直読分光測色計
白色点の選択肢D65D50、D55、D65、固有の白色点D50、D55、D65、固有の白色点D50、D55、D65、固有の白色点
ガンマ値2.21.8、2.21.8、2.2、3.0、sRGB1.8、2.2
カメラプロファイル作成×××
プロジェクターのプロファイル作成×
RGBプリンターのプロファイル作成×××
CMYKプリンターのプロファイル作成×××

 詳細な機能の比較については、X-Rite社の以下の製品紹介ページ内の、「ソリューション紹介パンフレット」欄にあるパンフレットのPDFも比較表が載っています。
 パンフレットによって、日本語のものと、英語しかないものもあります。

datacolor社の製品

 X-rite®製品以外に、datacolor社のキャリブレーションツールもあります。

Spyder®5 EXPRESS

その他の販売店 amazon

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Spyder®5 Pro

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Spyder®5 ELITE

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datacolor社製品の機能比較

 以下のdatacolor社ウェブサイト内のページに、モニターキャリブレーションツールの機能比較が掲載されています。

方法3 既存のディスプレイをsRGBモードにする

 新たにディスプレイやカラーマネジメントツールを購入するのは費用がかかるので、既存の設備だけで何とかしたいという場合は、ディスプレイを「sRGBモード」またはそれに類する設定にすると良いでしょう。

 モニターによってはないこともあるかもしれませんが、「sRGBモード」あるいはそれに似た名前の表示モードがある場合があります。
 これを選ぶと、モニターの表示特性がsRGBに近くなります。

 色やコントラストを、お持ちのモニターならではの色合いで使ったり自分好みに変更した状態で使うのに比べれば、ある程度sRGBに近い設定にして使用した方が、少しはディスプレイのキャリブレーションを行った状態に近くなります。

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補足 OSに備わっている、見た目で調整する方法について

 OSに元々備わっている「ディスプレイキャリブレーション・アシスタント」「画面の色調整」といったディスプレイ調整用の機能を使って、見た目でディスプレイの表示を調整する方法があります。

 しかし、見た目で調整するのは大変難しく、私が試しにやってみた範囲では、あまりうまくいったことがありません。

 よって、OSのディスプレイ調整機能を使うよりは、「sRGBモード」のようなモードがあるディスプレイを買って、色を正確に扱う作業のときだけsRGBモードで使用するのが最も手軽です。

ディスプレイの廃棄方法について

 これからディスプレイのキャリブレーションをしてみようという場合、新たにディスプレイを買い替えることもあり得るでしょう。そのため、今までのディスプレイの廃棄のことも同時に考える必要が出てきます。

まだ使えるディスプレイなら信頼できる店へ買取へ

 まだ使えるディスプレイを手放す場合は、廃棄してしまうと資源が無駄になってしまいます。
 資源を無駄にすれば、炭素排出量も減らせず、様々な環境負荷が大きくなり、経済活動は停止して人類は滅亡します

 また、他の種の生き物たちも人間の巻き添えで絶滅していきます。

 そこで、信頼できる買取の店へ出しましょう。

買取店の例

楽天買取 ●約200店舗が買取中!業界最大級の買取マーケットプレイス●

 注意しなければならないのは、買取に出しただけでは環境負荷は減らせないという点です。

 次回別の備品を購入するとき、中古品で間に合う場合は中古品を購入しましょう。

 買取に出して、別なものを購入時に中古を買う、というところまで実行してはじめて、日本、または世界全体で見て新品を1個製造するのを節約でき、炭素排出量などの環境負荷が減らせます。

もう使えないディスプレイの場合、資源有効利用促進法に従って廃棄しましょう

 液晶ディスプレイを廃棄する場合、国内の信頼できるルートで再資源化などの処理がされるようにしなければなりません。
 液晶ディスプレイの廃棄に関しては、資源有効利用促進法に基づいて行うことになっています。

 引き取りを依頼する先を間違えると、国際法に違反して海外へ輸出され、適切に再資源化もされないまま現地で甚大な環境汚染や健康被害を引き起こすということになる恐れがあります。
 そのような事態はすでに進行し、事態はかなり深刻で、もう待ったなしの状況です。

 そういう事態に私たちも知らないうちに加担しているとすれば、一方の人々を酷い目に合わせながら写真やグラフィックを美しく仕上げたとしても何の意味があるだろう、ということになってしまいます。

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 以上、パソコンのディスプレイのキャリブレーションの方法をご紹介しました。

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