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ディスプレイキャリブレーション 色温度の決め方 5000Kか6500Kか

      2017/04/28

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 カラーマネジメント対応ディスプレイをキャリブレーションしたり、キャリブレーションツールを使って普通のディスプレイをキャリブレーションするとき、白色点の色温度を決めなければなりません。

 このとき、ディスプレイの標準は6500Kらしいけれども、一方では写真や印刷の業界では5000Kにすることが多いという話もあり、いくらに設定すれば良いか迷う場合が多いのではないでしょうか。

 ここでは、ディスプレイのキャリブレーションをするとき、白色点の色温度をどう決めれば良いかをご紹介します。

ディスプレイの白色点の色温度の意味

 ディスプレイに写真や書類を表示する場合であれ、紙に写真や書類を印刷する場合であれ、真っ白な部分が存在します。

 青白い紙に白い雲の写真を印刷すれば、白い雲は青白くなります。クリーム色の紙に白い雲の写真を印刷すれば、白い雲はクリーム色っぽくなります。

 真っ白な部分を青白く調整したディスプレイに白い雲の写真を表示すれば、白い雲は青白くなります。真っ白な部分をクリーム色っぽく調整したディスプレイに白い雲の写真を表示すれば、白い雲はクリーム色っぽくなります。

 そのように、真っ白な部分をどういう色合いにするかによって、表示したり印刷したりする写真などの色合いも変わってきます。

 白色点の色温度は、雰囲気としてはこの真っ白な部分をどういう色合いにしたいかを決めるというものです。

白は白で、色がないから白ではないか、という疑問について

 白は色がないから白なので、白の色合いを決めるなんておかしい、という声もあるでしょう。

 白というのは何なのかというややこしい話にもなります。白についての詳しい話は各自でお調べください。ここでは以下のことだけ述べます。

 みなさんも見たことがあると思われるxy色度図の、色で囲まれた部分が人間の目に見える色のすべてです。
 中央あたりが白っぽくなっています。
 中央あたり全体が白っぽいのですが、白っぽい中にも少し場所を変えれば色度xyの数値は変わります。
 白色点の色温度の設定では、この白い部分の中でもどの辺の白にするかということを決めます。
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xy色度図

白色点の色温度を決めるのか色度を決めるのか、どっちなのかという疑問について

 白色点の色合いを決めたいので、白色点の色度を決めればいいということです。
 ただ、色度xyの数値よりも色温度の方が○○○○Kと単純に言えるので、色度を色温度に変えて言ってみたというだけです。

 例えば白色点の色温度を5000Kに設定してキャリブレーションした後、表示される数値を見ると白色点のxy色度の値も出ています。

白色点の色温度の決め方

 白色点の色合いは、最終出力を見る状況に似せて設定すると都合がよいです。

例1 自分でパソコン画面を見るだけの場合

 ご自分でパソコン画面を見るだけであれば、それが最終出力ということなので、白色点はお好みで決めます。

 青い光が嫌いなら5000Kや4500Kにしてみたりします。
 世間一般のパソコン画面と同じくらいにしたければ6500K前後にします。

例2 写真をプリンターで印刷する用途に合わせたい場合

 写真をプリンターで印刷する作業に最適化したい場合は、最終出力である写真を見る環境に合わせます。

 昼白色のLED照明の部屋で写真を見る場合が多いなら、5000K前後にします。
 昼光色のLED照明の部屋で写真を見る場合が多いなら、6500K前後にします。

例3 プリンターでの印刷で、印刷する用紙・自分の部屋の照明の条件下で完璧にカラーマッチングさせたい場合

 自分の部屋でプリンターで印刷する場合で、印刷予定の用紙とディスプレイ表示を完璧にカラーマッチングさせたいという場合は、白色点の色を5000K、6500Kなど一般的に使われるきりのいい色ではなく、パソコン画面の横に置いた印刷予定の用紙の色に設定する必要があります。

 そのため、ディスプレイキャリブレーションの目標設定で、測色器で測定した、部屋の照明下における用紙の色を白色点の色として設定します。

 用紙の色を白色点として設定できるディスプレイキャリブレーションツールであれば、白色点の設定時に用紙の色を測るメニューがあります。

自分の作業環境に特化した設定をすると汎用性は下がる

 この方法で白色点の色温度を設定した場合、自分の作業環境におけるカラーマッチングの精度は高くなりますが、汎用性は低くなります。
 部屋の照明が変われば通用しませんし、印刷する用紙が変わっても通用しなくなります。
 そのため、たいていは少しくらい誤差があっても許容範囲とみなして、5000Kや6500Kといった一般的に使われる数値に設定することが多いです。その方が他の人とデータや写真をやりとりするときにも都合が良いからです。

例4 ウェブサイト掲載用の写真を扱うのに最適化したい場合

 ウェブサイト掲載用の写真を扱うのに最適化したい場合は、最終出力はウェブサイトを閲覧する人のディスプレイということになります。

 ウェブサイトを閲覧する人のディスプレイの真っ白な部分がどういう色合いかは人によってまちまちなので、もっとも近いと推測できる色合いにしておくしかありません。

 sRGBがディスプレイやプリンターなどの周辺機器の業界の標準的な色域で、sRGBの白色点の色温度は約6500Kです。
 よってウェブサイト掲載用の写真を扱うのに最適化したい場合は白色点の色温度を6500K前後にしておきます。

色々な用途に合わせて白色点を複数の色温度に設定したい場合

 写真を印刷するときもあるし、ウェブサイトにアップする写真を調整するときもある、というような場合も多いでしょう。
 そういう場合は、ディスプレイの白色点を5000Kにしたいときもあれば6500Kにしたいときも出てきます。

複数の設定でキャリブレーションをしておく

 キャリブレーションのソフトでは、キャリブレーションの結果を複数保存しておけます。

 そこで、まずキャリブレーションの目標として白色点の色温度を5000Kに設定して、目標の名前は分かりやすく付けておいて、キャリブレーションします。

 さらに、白色点を6500Kに設定した目標を作り、分かりやすい名前を付けて、キャリブレーションします。

 あとは、ディスプレイを使用するときに、作業に合わせてパソコン上で目標を切り替えれば色温度を変えられます。

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色温度の異なる複数のキャリブレーションの設定から適宜選ぶ

 以上、ディスプレイのキャリブレーションをするとき、白色点の色温度をどう決めれば良いかをご紹介しました。

当ブログ参考記事

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