カラーマネジメント実践ブログ 〜フォトレタッチの現場から〜

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プリントされた紙焼き写真をスキャンしてデータ化する方法

      2017/07/03

scanner

 フィルムカメラで撮影し、店で同時プリントした紙焼き写真をスキャンしてデータ化したい方は多いのではないでしょうか。

 しかし、自分でスキャンしてキレイにデータ化するのは結構難しいものです。

 ここでは、自分でスキャンする場合の手順などをご紹介します。




予備知識 色補正の有無など、スキャニングの仕方について

フィルムは完成していない写真、と言える

 フィルムに焼き付けられた写真は、よほど撮影が上手な人でない限りは、レンジ明るさ・コントラストなどの調整が不十分な写真です。

プリントされた紙焼き写真は完成した写真

 店の同時プリントのサービスなどでプリントした紙焼き写真は、フィルムからプリントするときに店の人がレンジ明るさ・コントラストなどを調整しているので、きれいに仕上げられた完成した写真です。

理想は、プリントされた紙焼き写真の仕上がりそのままにスキャニングしたい

 店でプリントされた紙焼き写真はプロが調整してプリントした完成した写真なので、スキャニングはこの完成した仕上がり状態そのままで行うのが理想的です。

現実的には、プリントされた紙焼き写真の仕上がりそのままにスキャニングするのは難しい

 店でプリントされた紙焼き写真の仕上がりそのままにスキャニングするためには、カラーマネジメントの仕組みに則ってスキャニング作業を行う必要があります。

 カラーマネジメントの仕組みに則ったスキャニングのためには、お手持ちのスキャナー専用のカラープロファイルを作成する必要があります。
 しかし、スキャナーのプロファイルを作成するための道具はかなり高価で、個人で買うのはおすすめできません。

 少し精度は低いですが、スキャナー付属のプロファイルを使って、原稿の写真に近い状態でスキャンする方法もあります。
 ただし、初心者の人にとっては少しややこしいです。

当ブログ参考記事

 よって、初心者の人が、プリントされた紙焼き写真の仕上がりそのままにスキャニングするのは現実的には難しいです。

スキャナーのドライバーに任せてスキャニングするのが現実的

 スキャナーにはスキャナーのドライバーユーティリティーソフトが付いていて、それらのソフトが画像データをある程度綺麗に処理してくれます。

 プリントされた紙焼き写真の仕上がりそのままの画像データは出来上がりませんが、ドライバーソフトなりに適正と思える画像に仕上げてくれます。

 よって、色の補正などをスキャナーのドライバーソフトにまかせてスキャニングをすることをおすすめします

プリントされた紙焼き写真のスキャニングの具体的な手順

 ここから、具体的なスキャニングの手順を説明していきます。

 なお、この記事内ではEPSON®のスキャナーのドライバーソフトを例として説明します。どのメーカーもソフトの中身はある程度似ていますので、他のメーカーのスキャナーをお持ちの方は、ご自分のスキャナーのドライバーソフトに置き換えてお読みください。

原稿のセット

 スキャナーのガラス原稿を布などで拭きます。
 見た目にホコリが見えなくても、スキャンした画像上ではゴミが大量に見えることがよくあるので、面倒ですが絶対拭いたほうがいいです。

 拭いたら原稿をセットします。

 スキャニング可能な範囲内に、並べられるだけ並べます。A4サイズのスキャナーならL判3枚ほどしか並びません。
 原稿どうしをくっつけてしまうとスキャナーのドライバーソフトが写真1枚ずつをきちんと認識できなくなるので、原稿と原稿の間は隙間を開けます

スキャナーに原稿を並ぶだけ並べる

スキャナーに原稿を並ぶだけ並べる

 原稿の方向は気にしなくても大丈夫です。プレビュー時に方向を直せます。

※もし当店にスキャン済みデータの処理をご依頼いただける場合は、方向は全く気にしなくて結構です。当店での画像処理の際に方向も修正します。

プレビュー

操作 プレビューボタンを押してプレビューをスタートします。

プレビューボタンを押す。

プレビューボタンを押す。

 プレビュー画面が表示されます。

操作 もし下図のようなサムネイル表示になっていなかったら「サムネイル」をクリックします。

プレビュー画面

プレビュー画面

操作 逆さまになったりしている写真があれば、その写真をクリックして選択し、90度傾けるボタンを押して方向を修正します。
 黒い太枠で囲まれた状態の写真が選択されている写真です。

※もしスキャン済みの写真データの処理を当店にご依頼いただける場合、写真の方向はそのままで結構です。すべて当店で修正させていただきます。

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プレビュー画面で写真の向きを修正

スキャニング設定

 ここではスキャナーのドライバーユーティリティーソフトで基本的なスキャニングと画像処理をする想定で説明します。

原稿

 ここではL判(89×127mm)のプリント写真をスキャンすると仮定します。

使用するスキャナー

 スキャナーは色々ありますが、今ご自宅にあるスキャナーを使用するとします。

スキャン設定

 スキャナーのユーティリティーソフトでスキャニング方法の設定をします。スキャニング時の設定は、以下のようにすると無難です。
(設定画面はEPSONのスキャナーのユーティリティーソフトの例です)

設定 まず、「全自動モード」「ホームモード」「プロフェッショナルモード」などを選べる場合、「ホームモード」を選ぶと無難です。

スキャニング設定画面(EPSON Scanの例)

スキャニング設定画面(EPSON Scanの例)

設定 原稿の種類: プリント写真(「プリント写真」がなければ「反射原稿」など)

※普通の写真をスキャンするか、フィルムをスキャンするか、文字だけの書類をスキャンするか、などを選ぶ設定です。普通のカラー写真をスキャンするので「プリント写真」を選びます。

設定 イメージタイプ: カラー

※原稿をカラーでスキャンするかグレースケールでスキャンするか線画としてスキャンするかの設定です。カラー写真をスキャンするので「カラー」を選びます。

設定 出力設定: プリンター

※この設定に従ってユーティリティーソフトがスキャン解像度を自動的に設定します。ご自宅のプリンターで印刷するにも店でプリントするにも「プリンター」を選んでおけば問題ありません。

設定 出力サイズ: スキャン後のデータをプリンターで印刷する場合どのくらいのサイズで出力したいか選びます。

説明 一般的なデジカメで撮影した画像と同じくらいのサイズのデータにしたい場合はA3判程度のサイズを選ぶ必要があります。しかし、そのくらいの高い解像度でスキャンすると非常に取り込み時間がかかり、多くの枚数をスキャンする場合は現実的ではありません。

 よって、基本的には「L判」を選んでデータ化し、大きくプリントしたい写真があるときだけあらためて「A3判」などでスキャンするのが良いでしょう。

※サイズの欄をクリックしても選べなければ、一度プレビューして、スキャンする範囲を確定すると選べるようになります。

設定 解像度: 実際の読み取り解像度は「出力設定」「出力サイズ」の設定で自動的に計算されるのでそのままでいいです。

設定 画質調整:

モアレ除去
光沢なら不要です。絹目の写真なら試しに入れてスキャンしてみて、出来栄えがいいなら入れます。
逆光補正
チェックを外した方がいいです。
ホコリ除去
お好み次第でチェックします。
退色復元
チェックを外した方がいいです。

スキャン結果の画像データを画像編集ソフトできれいに処理する場合は上記のようにあまりチェックをいれない方がいいです。
 チェックを入れるほど画像データが加工されて情報が減るので、画像編集ソフトで操作できる余地が少なくなるからです。

 一方、スキャンしてできた写真データを画像処理せずそのまま使うなら、逆光や退色などの項目もチェックしてみても良いかもしれません。

設定 明るさ調整: 何もしない方がいいです。

スキャニング設定画面 明るさ調整(EPSON Scanの例)

スキャニング設定画面 明るさ調整(EPSON Scanの例)

※店でプリントした紙焼き写真の場合、店でプリントする際に明るさ・コントラストが最適に調整されているので何もしない方がいいです。

設定 色補正: 「環境設定」などどこかに色補正に関する設定があるので、「ドライバーによる色補正」を選びます。設定値は初期設定値でいいです。

スキャニング設定画面 色補正(EPSON Scanの例)

スキャニング設定画面 色補正(EPSON Scanの例)

設定 保存ファイルの設定:
 データ保存後に加工をしないといい写真にならないので、データの保存形式の設定はのちに加工を加えることを考え、TIFが無難です。

スキャニング設定画面 保存形式(EPSON Scanの例)

スキャニング設定画面 保存形式(EPSON Scanの例)

JPEGで保存してしまうと、後でデータを開いて加工後に保存することで劣化してしまいます。

※後処理はせず、スキャンしっぱなしで完成とする、という場合は容量節約にJPGというのも選択肢の一つです。

設定 ICCプロファイル埋め込み: チェックを入れます。

scan_tif_save_setting

TIFの圧縮方法などの設定

スキャン

操作 プレビュー画面のサムネイルで、スキャンする写真すべてのチェックボックスにチェックを入れます。

scan_select

スキャンする写真すべてにチェックを入れる

操作 スキャンボタンを押してスキャニングスタートします。

 これでカラープロファイルが埋め込まれたTIF画像が完成します。カラープロファイルが埋め込まれていることにより色が確定しています。

とりあえずスキャニング済みデータの完成

 ここまでの操作で、スキャナーのドライバー、ユーティリティーソフトおまかせによるスキャニグ済み写真データは完成です。

スキャナーのドライバー、ユーティリティーソフトおまかせのスキャニングによる写真データは完成した仕上がりの写真とは言えない

 スキャナードライバー、スキャナーのユーティリティーソフトの能力だけではきれいな写真になりません。

自宅でスキャンしただけの写真データと店でプリントした写真の違い

 ネガフィルムを店に同時プリントに出して出来上がる写真や、デジカメで撮影したデータを店でプリントして出来上がる写真は、店の人が仕上がりを確認して少し調整したりしています。

 一方、今お手持ちのスキャナーでスキャンした写真は、スキャン元の原稿は店で仕上げたプリントだとしても、スキャニング結果のデータはパソコンのソフトが自動処理で仕上げたものです。
 自動処理と、店の技能者の人が調整するのでは仕上がりに当然差があるのです。

スキャナーユーティリティーソフトの自動処理以上の仕上がりにするには

 お手元のスキャナーのユーティリティーソフトの自動処理だけの写真データを、フィルムを店でプリントしたようにきれいな写真に仕上げるには、スキャンしたデータを開いて手動で調整を加える必要があります。

 この、手動で加える調整が、フィルムやデジカメのデータを店にプリントに出したときに店で行っている調整と似た位置づけの作業になります。

写真データの調整

手動による写真データの調整

 スキャン後の写真データの調整では、最低限以下の調整が必要です。

  1. レンジの調整
  2. 色かぶりの補正

 ご自分で行う場合、Adobe® Photoshop® ElementsCorel® PaintShop Proなどの画像編集ソフトを使用して行います。

画像編集ソフトの例

プリントした紙焼き写真を大量にスキャンする場合 現実的な方法

 プリントした紙焼き写真を若干の量をスキャニングするなら以上の説明の要領で行うことができます。

 一方、今までに撮りためた大量の写真をスキャンしたいという場合があると思います。
 その場合、自分で行うとかなりの時間がかかります。
 試しに27枚か36枚くらいスキャンしてみて、1枚あたり何分かかるか計算し、その時間から撮りためてある写真をすべてスキャンした場合の時間を計算してみます。

 そうすると、かなり非現実的なほど長い時間がかかってしまうことが分かるのではないでしょうか。

 よって、大量スキャンを行う必要がある場合は、写真のスキャニングを行っている店に依頼するのが現実的な方法です。

写真スキャニングサービスの例

プリントした紙焼き写真をスキャンする場合

当ブログ参考記事

当ブログ参考記事

写真フィルムをスキャンする場合

当ブログ参考記事

 以上、プリントされた紙焼き写真をスキャンしてデータ化する方法をご紹介しました。

当ブログ参考記事

当事務所のフォトレタッチサービス

 スキャン後の写真データをご自分でレタッチしきれない場合などに、ご依頼いただけると幸いです。
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スキャニング関連の本

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